誰も治らない糖質制限-6

ちは。

時々小難しいことを書いておかないと、このブログの信憑性が甚だ怪しくなるんじゃないかと心配している王城です。

前回のこのシリーズでは、「高脂肪食はインスリン抵抗性を上げる」という点について、いくつかの論文を紹介しました。
今回は、高脂肪食がインスリンの分泌それ自体をも低下させるという恐ろしい話です。
ま、つまり、糖質制限のような高脂肪食で「血糖値が上がらない!」と喜んでいる内に、インスリン抵抗性は悪化する上にインスリンの分泌自体も低下して行き、玄米食っただけで血糖値が上がってしまうという、情けないポンコツに成り果てるということです。

通常、我々の膵臓β細胞は、グルコーストランスポーター(GLUT2)により細胞にグルコースを取り込むことで血糖の上昇を認識しそれに応じたインスリン分泌をしています。
(GLUT2は、腎の尿細管上皮細胞、小腸の上皮細胞、肝細胞、膵β細胞に発現しており、インスリンの作用に依存しません。)
GLUT2は、糖転移酵素N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ4a(GnT-IVa)により糖鎖修飾を受け、細胞の表面に運ばれます。
GLUT2は付加された糖鎖を用いて内在性のレクチンであるガレクチンと結合し、細胞の表面に安定してとどまり、これにより、膵臓β細胞は血糖に応じて細胞にグルコースを取り込み、インスリン分泌応答を起こします。

しかしながら、N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ4a(GnT-IVa)が欠損すると膵臓β細胞のGLUT2の糖鎖修飾が不全となり、ガレクチンとの結合が低下して膜上に留まることが出来なくなり、このため糖を検知できず、インスリン分泌が低下します。

β細胞の糖転移酵素であるGnT-IVaは、高脂肪食を負荷すると発現が低下し、グルコースセンサーの機能異常を来たします。
これは、高脂肪食を負荷することにより、遊離脂肪酸によるMgat4a遺伝子およびGlut2遺伝子の転写異常が起きることに大きく起因しています。

β細胞内では、転写因子FOXA2およびHNF-1αは核に局在し,Mgat4a遺伝子およびGlut2遺伝子の発現を可能としています。
Mgat4a遺伝子は糖転移酵素GnT-IVaをコードし、GnT-IVaによる糖鎖修飾をうけたGLUT2は安定的にβ細胞の表面に発現し、グルコースの取り込みに応じたインスリンの分泌を行っています。
しかしながら、β細胞環境に遊離脂肪酸濃度が上昇すると、転写因子FOXA2およびHNF-1αが核外に輸送されるため、Mgat4a遺伝子及びGlut2遺伝子の発現が障害され、細胞にGLUT2が貯留するとともに細胞の表面でのGLUT2の発現が低下し、グルコースセンサー機能が障害される訳です。
2型糖尿病の発症過程には、このグルコース刺激によるインスリン分泌の障害が深く関与しており、それをもたらすのは高脂肪食、あるいは増え過ぎた脂肪ということです。

つまり、糖質制限というのは、カロリーを維持しようとすると必然的に高脂肪食になり、インスリン抵抗性は悪化、インスリン分泌は障害され、耐糖能は悪化して行き、かと言って、脂肪食を減らすとカロリーが維持できず、体重は減少、筋量も減少しサルコペニアが進行、結局耐糖能は悪化と、八方塞がりの状況になり、気がついた時には、どうにもならないポンコツのモヤシになるということです。

皮肉にも、ポンコツカルトがよく言うところの「糖質を摂取すれば食後高血糖は避けられない」というのは、糖質制限してるからそうなるのです(笑)

参考文献
Pathway to diabetes through attenuation of pancreatic beta cell glycosylation and glucose transport.









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コメント

糖新生とグリセロール

はじめまして。生化学や栄養学の本を読んでいて、「糖新生では脂質は利用できない」という記述をときどきみるのですが、グリセロールは利用できますよね。「利用できない」は事実誤認だとして、グリセロールの利用はかなり優先度の低いものなんでしょうか?エネルギー不足のときに、筋肉の分解によるアミノ酸を優先して糖新生に利用するというのは理解しております。

2013/09/20 (Fri) 12:02 | deepseafish #- | URL | 編集
Re: 糖新生とグリセロール

deepseafishさん、こんにちは。

優先度というより「量」の問題ではないでしょうか?
糖新生のほとんどはアミノ酸が利用され、グリセロールが利用されるのは全体の10%ぐらいです。
当然のことながら、運動しない糖毒モヤシ諸君は、乳酸の利用なんてほとんどありません(笑)

2013/09/20 (Fri) 17:08 | 王城 恋太 #- | URL | 編集
高強度筋トレによる効能

A部(53才親父)です。

神聖な高血糖克服のためのブログに、大変恐縮ですが高強度筋トレを開始して1年の効能ご報告です。

1・全力疾走できるようになった(風を斬る音を聴きながら)
    ジム近くのM城公園を過去にも何度もランニングおこなっていました    が、ランニング後腰痛発生で継続不可でした。全力疾走できるように    なった上に、腰痛一切なしです(風を斬る音、非常に心地良いです)
2・お酒がたしなめるようになった
    肝臓の数値が正常になった上、約25年間心地よく飲めなかったのです    が、劇的に美味しいお酒が飲めるようになりました。
3・体中に“ス”があく(通る)感覚がなくなった
    50歳をすぎたころから、感覚的な表現ですが、体に“ス”があく感    覚がでてきて、これが老化かなどと考えていましたが、完全になくな    りました。
4・自信
    体力の衰えとともに無くなっていた、自信が回復。
5・ナンパされた
    親父ですが、数十年ぶりにナンパされました。
    何か、体から出ているのでしょうか(笑)
    これにつきましては、Y本っちゃんの教えを今後乞う予定です(笑) 

実は、その他効能あまたです。王城先生の云われる“高強度筋トレ”でなかったとすると、上記効能はまず得られなかったというのが、私の実感です(高強度筋トレ恐るべしです)。2回/週、短時間のトレーニングで、非常にパフォーマンス&リターンが大きいです。
※私は高血糖ではありませんので、今後有酸素運動も加えて、さらなる効能変 化を確認したいと思っております。

2013/09/21 (Sat) 22:45 | A部 #- | URL | 編集
Re: 高強度筋トレによる効能

A部(53才親父)さん、こんちは。

もうほとんど何でもありと言うか、言ったモン勝ちのようになってきましたね(笑)

この前、懇親会では、奥さんと夜の営みが増えたと言ってましたが、それは効能ではないんですか?(笑)

5のナンパされたというのは、読者の皆さんも一番気になるところですから、もっと詳しく教えてください。

2013/09/22 (Sun) 03:02 | 王城 恋太 #- | URL | 編集
初めまして

いつも興味深くブログ読んでいます。
自宅でのみなんですが筋トレで体質改善に取り組んでいる者です。
批判とかでは全くなく、素朴な疑問なんですが

>「糖質を摂取すれば食後高血糖は避けられない」というのは、糖質制限してるからそうなるのです(笑)

との事ですが、糖質制限が知られていなかった時代は
皆カロリー制限されていたと思うのですが、
決して予後が良いとは言えず人工透析まで進んでしまう患者さんも多かったですよね。
また、HbA1c4%台を維持する人は糖質制限者でよく見かけ、
運動無しまたは有酸素運動のみのカロリー制限者は
良好でも6%前後の方を多く見かけます。

つまり私の印象では改善が大きいのは
高強度筋トレ>糖質制限>カロリー制限の順番です。

高強度筋トレが1番効果があるのだろうとは思うのですが
食後高血糖を起こすのは運動せず糖質制限より
運動せずカロリー制限の方が大きい、つまり高血圧持ちなどで
筋トレが禁止されている患者さんにはカロリー制限より
糖質制限の方が予後が良いのではないか、
と感じるのですがどう思われますか?

2013/09/22 (Sun) 13:51 | miyuki #PAdImsec | URL | 編集
Re: 初めまして

miyukiさん、おはよーございます。

ご質問の答えは、長くなったので記事にしました。
よろしくお願いします。

2013/09/23 (Mon) 07:33 | 王城 恋太 #- | URL | 編集

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