β細胞の真実

ちはっす。

今回は、糖尿病の皆さんが最も気になるβ細胞の話です。
ご存じの通り、膵臓のβ細胞はインスリンを分泌する器官で、糖尿病の皆さんはもれなくこれがポンコツになっています。
β細胞についてはまだまだ解らないことが多いのですが、近年になって解ったこともいろいろとあります。
とりあえず、この既に解っていることを積み重ねることによって、糖尿病になった時の方向性も見えて来ます。

先ほど「糖尿病の皆さんはもれなくβ細胞がポンコツ」と言いましたが、以前は、と言うか今でも言われていますが、デブはインスリン抵抗性型で、モヤシはインスリン分泌不全型なんていう言い方がされています。
しかしながら最近の研究では、デブだろうがモヤシだろうが糖尿病と診断された時点で既にβ細胞の機能障害(委縮)は進行しているという恐ろしいことが解っています。
インスリン抵抗性もβ細胞の機能障害も、その支配的な原因は脂肪による炎症ですから、β細胞だけが待ってくれているという都合のいいことは起こらない訳です。
(実際には、初期インスリン抵抗性でβ細胞は増殖して対応するが、その後機能障害が進行して行き糖尿病を発症する。)

ところで、脂肪による炎症と言っても、デブでも糖尿病にならない奴もいるし、モヤシでもなる奴がいるのはどうしたことでしょうか?
これは実は、脂肪による炎症にデブとかモヤシとかはとりあえず関係ないからです。
デブというのは、良い言い方をすれば、普通の人よりも同化能力が優れているということで、例えば脂肪細胞がたくさんあったり、増殖できる量が多かったりということで、逆に言えばモヤシというのはちょっとしたオーバーカロリーで脂肪細胞が脂肪を吸収できなくなり、吸収できなくなった脂肪は各地で異所性脂肪や内臓脂肪を蓄えたりしてしまうのです。
デブも、これ以上蓄えられなくなれば異所性脂肪や内臓脂肪を形成し出します。
際限なく同化できるようなデブは糖尿病にならないと言いますか、糖尿病になる前に他の病気になります(笑)

やせているのになぜ糖尿病に? 余分な脂肪を減らして改善

さて、こうして余分な脂肪はあちこちで悪さをします。
どんな悪さをするのかと言いますと、こんな悪さをします。

インスリン抵抗性は何故起きるのか?

ね?大変なことになってるでしょう?(笑)
しかしながら、ここからがえらいことなのです。
一旦、インスリン抵抗性が惹起されると、つまりインスリンが効きにくくなると身体は同化できにくくなります。
結果として、脂肪の分解が亢進し、ますます身体中に遊離脂肪酸が増え、益々インスリン抵抗性が強まるという悪循環になります。
同時に、脂肪は肝臓、腎臓、膵臓というあちこちの臓器で炎症を起こし始めます。

我らがβ細胞では何が起こっているのでしょうか?

そして更に悪循環は続く・・・!

いやはや、えらいことになりました。
てゆーか、β細胞って意外とヘタレのくせに任務が重大なのです(笑)
そもそもβ細胞において糖が代謝されATPが増えないことにはKATPチャネルが閉じないので、インスリンも出ないのです。
つまり、β細胞において脂肪酸により糖の代謝が障害されるとインスリンの分泌に障害が起き、そのおかげで全身の糖が吸収できなくなってしまうのです。
と、同時に脂肪酸によって炎症を起こして、勝手に委縮して行ってしまいます。
更に具合が悪いことに、β細胞自身がインスリンによって増殖や機能を制御しているので、一旦インスリン分泌に障害が起き始めると、自分自身が機能障害を起こし増殖できなくなり、更にインスリン分泌が障害され、更に機能障害が進行して行くという悪循環になります。

Class IA Phosphatidylinositol 3-Kinase in Pancreatic b Cells Controls Insulin Secretion by Multiple Mechanisms.

結局、インスリンという同化ホルモンがなくてはβ細胞自身も同化できないというオチなのです。

カンの良い人なら、「ほんじゃぁ、インスリンを打てば良いではないか!」と思われるかもしれませんが、世の中そんなに甘くはないのです(笑)

膵臓 β 細胞の新生と環境

↑は九州大学の論文なんですが、

ヒトインスリン(100%)に対し、インスリンデテミルはインスリン受容体との親和性が低く(27%)、リン酸化誘発力や細胞増殖誘発能力が低いため(11-14%)、β 細胞を増加させる能力がなさそうである。
(中略)
移植片からのインスリンは、インスリン受容体と下流プロセスを通して β 細胞増殖を促進し、β 細胞の体積を増加させることができる。

と、結論づけています。

そんな訳ですから、身体全体が同化できる環境になければβ細胞とて同化できないということなのです。
これ割と想像しやすいと思うんですが、身体全体がモヤシになってやせ細って行く環境でβ細胞だけが逞しく育つなんてあり得ないということです。


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コメント

王城さん、こんにちは。

九州大学の論文使って、どこかの誰かさんが

「インスリン注射ではβ細胞を休ませることが出来ないと証明されました。ですから糖質制限をしてβ細胞を休ませてやることが必要です。」

とか言い出しそうですね。

2015/09/06 (Sun) 19:56 | こぶ平 #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

こぶ平 さん、こんちは。

モヤシ教祖は十数年休ませてニッチもサッチも行ってないのに「何かおかしいな~?」とか思わないんですかね?(笑)
信者の中にも「キミ、たいがいせーよ。」とかツッコむ人いないんですかね?(笑)

ちなみに、九州大学の論文は100%ヒトインスリンでβ細胞が増殖できることを実証した結果になっているんですが、その時点ではその機序については踏み込んでいなかったのです。
そして先に紹介した英文の論文は、東京大学の論文で、その機序が解明された、という流れになっております。

2015/09/06 (Sun) 22:28 | 王城 恋太 #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

Joさん、こんちは。

>2型糖尿病の完治または寛解は稀ではあるが、医療現場で確認されている

と書かれちゃってますね(笑)

>2型糖尿病は、食事と運動あるいは胃のバイパス手術で寛解状態になる

糖毒カルトに言わせると、英国は米国と並んで糖尿病治療において糖質制限が主流のはずなのに、糖質制限のトの字もでてきませんね(笑)
ちょっと気の毒になって来ました(笑)

2015/09/07 (Mon) 18:37 | 王城 恋太 #- | URL | 編集

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