糖尿病肥満患者が筋トレを行うと劇的に改善する理由

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ちはっす。

ここんとこ劇的ビフォア・アフターのお話が続いていたので、ついでですから今回は「何故そうなったのか?」というお話をしたいと思います。

ま、そもそも「一週間や一カ月で改善」なんていう話は、にわかに信じ難いことかもしれません。
しかしながら、現実には私の場合でも、運動療法を開始した一週間後には空腹時血糖値は360だったものが正常値にまで回復しています。
その一週間で行ったのは、3回の運動、1回が1時間ぐらいなのでトータルで3時間の運動しかやっていません。

何故そうなるのか?というヒントは↓の論文にあります。

High fat diet-induced hyperglycemia: prevention by low level expression of a glucose transporter (GLUT4) minigene in transgenic mice.

この論文では、通常のマウスとGLUT4の発現を増やしたトランスジェニックマウスとに、高脂肪食を与え比較、検証しています。
通常マウスでは、高脂肪食を与え続けると糖尿病を発症するのに対し、トランスジェニックマウスでは発症しませんでした。
論文は、

GLUT4の組織レベルのわずかな増加で、糖尿病の主な症状を防ぐことができる。

と、言っています。

GLUT4って何?

GLUT4というのは、細胞に糖を運ぶ運び屋みたいなものです。
とりあえず、こいつが働かないことには身体が糖を吸収できず、血糖値が下がりにくくなります。
GLUT4は、普段は細胞の奥の方に引き籠っていますが、インスリンが細胞の窓のカギを開けると、窓から顔を出します。
(これをGLUT4のトランスロケーションと言います。)
この時、その辺をウロウロしている糖を捕まえて細胞の中に持って行きます。

インスリン抵抗性というのは、インスリンが細胞の窓を開けられない状態とイメージすると解り易いかもしれません。
もう一つは、毛細血管が開かず、インスリンが細胞まで来られないという場合もあります。

GLUT4ってどうやって増やすの?

このGLUT4のトランスロケーションには、もう一つの経路(非インスリン経路)があり、これは筋収縮、即ち運動によってもたらされます。
運動(筋収縮)によりエネルギーが大量に使われると、AMPKという酵素が活性化されます。
(*詳しくは、オカルトダイエットの見分け方3 を参照下さい。)
そして、このAMPKという酵素の活性化がGLUT4のトランスロケーションをもたらします。

当然のことながら、GLUT4の活性を最大限にしたければ、最大限のエネルギーを使用するということになります。
つまり、運動による糖の取り込み(非インスリン経路での糖の取り込み)は、運動の強度が高ければ高いほど効果があるということです。

ちなみに、メトホルミンという薬は、筋収縮と同じ様に、このAMPKを活性化して糖を取り込みます。
言わば、なんちゃって筋トレみたいなもので、AMPK活性化→GLUT4のトランスロケーション→糖の取り込み、という仕組み自体は、筋トレ(運動)もメトホルミンも同じです。

ほんじゃぁ、そのGLUT4自体、どう増やせばいいの?という問題なんですが、当ブログでよく紹介している研究、

骨格筋GLUT4タンパク発現に対する単発の高強度短時間運動

によれば、

ラットの実験において、たった3分20秒の高強度運動で、運動直後の糖取り込みが上昇し、16時間後のGULT4の発現が34%増加した、

とあります。

実は、このGLUT4の増加というのは、運動を継続することにより積算されていきます。
何も運動しない人と定期的に運動している人とでは、GLUT4の量が2倍ほど変わってきます。

筋グリコーゲンが枯渇するほどの高強度の運動を行うと、筋グリコーゲンの貯蔵量自体も増えて行きます。
筋グリコーゲンの貯蔵量が増えると、次回のトレーニングでは更に高強度で追い込める、という好循環になります。

更に、筋量の物理的な増加が加わると、GLUT4、筋グリコーゲン貯蔵量共に相乗効果が現れ、糖の取り込みは加速度的に増えて行きます。
つまり、高強度かつ筋量増加を伴う運動が、糖尿病初期の方にとってパーフェクトな血糖コントロールをもたらすということです。



o-Method

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コメント

No title

こんにちわ!
今回の記事、ものすごくわかりやすかったです!
実はこのあたりの内容、TABATAプロトコルで有名な田畑泉教授の著書にも詳しく載っているんですが、
バカなワタシには、詳しすぎて(というか難しすぎて)半分以上解読不能だったんです。
今回の記事がわかりやす過ぎて目からウロコです!
改めて田畑教授の著書も読み直してみたら、以前よりも理解できました(笑)
そしてメトホルミンが疑似筋トレみたいな感じなんすね。
それもすごくわかりやすかったです。
難しいことをわかるように説明するってすごく高度なことです。
ワタシは会社でコンピュータサポートもやってるんですが、
つい、「なんで、んーなこともわからんのじゃっ」って思ってしまいますが(笑)

2016/02/25 (Thu) 18:06 | domojan #- | URL | 編集
No title

王城さん、こんばんは。
早速、デッドリフトを始めてます。

効果ですが、今日の晩ご飯がちょうど良く焼きそばだったので
久々に血糖値を測ってみました。

焼きそば麺 約150g(お肉ナシ野菜たっぷり)
サラダ、ご飯 100g

を、食べて1時間後 122mg/dl でした。
私は2時間後にピークがくることは、ほぼないので
これがピークと考えて良いと思います。

以前、焼きそば麺を食べた時は血糖値、大爆発でしたのに
これだけ食べて、この数値は私的には満足です。

結果がついてくると、ますます筋トレが楽しくなりますね。

2016/02/26 (Fri) 21:21 | アラフィフおばさん #z8Ev11P6 | URL | 編集
Re: No title

domojan さん、こんちは。

メトホルミンは、なんちゃって筋トレ剤と呼んでもいいのですが、運動による効果(筋肥大等)がないことが欠点ですね。
当たり前と言えば当たり前なんですが。

2016/02/27 (Sat) 16:17 | 王城 恋太 #- | URL | 編集
Re: No title

アラフィフおばさん 、こんちは。

早速結果が出たのですか?
素晴らしい!
と言うか、もしかしたら自分で気が付かない才能があるんじゃないですか?(笑)

筋トレの面白さは、やはり自分の身体が変化した時ですよ。
もう、やめられなくなりますよ(笑)

2016/02/27 (Sat) 17:12 | 王城 恋太 #- | URL | 編集
No title

王城さん、こんばんは。

自分の知らない才能…あるわけないです(笑)

焼きそばは、大爆発してから嫌煙していたのと
最後に血糖値を測ったのは去年の夏なので
単純に、多少は食べても大丈夫なのを気付かなかっただけです(笑)

2016/02/27 (Sat) 22:08 | アラフィフおばさん #z8Ev11P6 | URL | 編集
Re: No title

アラフィフおばさん、こんちは。

いや、きっと今から本格的にやったら凄いことになるかもしれないです。

1年後に私と対面したら、
「なんだ、王城って意外とモヤシなんだな。」と思うかもしれません(笑)

2016/02/27 (Sat) 23:49 | 王城 恋太 #- | URL | 編集
No title

> 耐糖能が落ちることは認めたんですね(笑)

教祖はβ細胞を休ませるって言ってますけど、これ自体どうなんでしょう?

血糖値が上がると下げるためにインスリンが出るってことですが、たんぱく質でもインスリンは分泌されるっていうのは結構いろんなところに書いてあります。教祖はたんぱく質でインスリンはちょっとだけ出るって書いていましたが、たんぱく質の中には糖質よりインスリンが分泌されるものもあるというのは、これもいろんなところに書いてあります。この情報によると、糖質制限でβ細胞は休めないのでは?
彼らはインスリンのことを肥満ホルモンとかいってますけど、糖質制限でも実はインスリンは出ているし、結局脂肪とりすぎれば肥満になるのでは?
血糖値コントロールはできますけど。


2016/07/14 (Thu) 06:13 | hima #- | URL | 編集
Re: No title

himaさん、こんちは。

>教祖はβ細胞を休ませるって言ってますけど、これ自体どうなんでしょう?

以前に記事で書きましたが、ただの寝言です(笑)
そもそも教祖自身、十数年も休ませて一向に回復しないどころか、むしろ悪化してることに気付かないところがカルトなのです。

β細胞というのは、高血糖、高脂肪、どちらの環境に晒されても機能障害は進行し、委縮して行きます。
どちらか一方だけでは、頭隠して尻隠さずなのです。

2016/07/14 (Thu) 19:28 | 王城 恋太 #- | URL | 編集

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