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絶食によるオートファジーの活性化は肝臓に脂肪を蓄積する

ちはっす。

以前の記事で、糖尿病患者と健常者が朝食を抜くと、身体はどのように変化するか?という論文を紹介したことがあります。

糖尿病患者が朝食を抜くと糖尿病は憎悪する
上記の記事では、米国糖尿病学会の学会誌Diabetes Careに掲載された論文を紹介しています。

朝食を食べなかった日は、朝食を食べた日と比べ、昼食後、夕食後の血糖値の上昇が大きくなり、インスリン分泌は遅延、低下していました。(昼食・夕食のカロリーはどちらも同じ)
また、グルカゴンと遊離脂肪酸は上昇し、GLP-1が低下していました。

更に、朝食を食べなかった日の遊離脂肪酸の変動は、午前中3時間にわたり朝食を摂取した日と比べ、なんと18倍以上増加していたという、腰が抜けそうなレポートです。

これは絶食時間が長いため遊離脂肪酸が増加し、インスリン抵抗性が上昇したことや、インクレチン分泌低下がβ細胞の分泌記憶機能やブドウ糖に対する感受性を低下させ、結果的にインスリン分泌が低下したと考えられます。
(研究者:談)


朝食を抜くという、わずか十数時間の絶食で、体内の遊離脂肪酸濃度は急上昇し、インスリン抵抗性が上昇、インスリン分泌が低下と、恐るべき結果になっています。

研究者によると、前日夜から昼までの絶食時間が長いと、β細胞のメモリが狂うことでインスリン分泌不足や分泌遅延を起こし、昼食後にβ細胞が回復するために時間がかかり、結果的に終日に渡り血糖値の上昇をもたらす、ということです。
もう一つの要因として、長時間食事が空くことにより、インスリンレベルが低下し血中に脂肪酸が増加するため、と説明しています。

上記の研究は、2型糖尿病患者を対象に行われたものですが、健常者の場合はどうなの?と、言うと、下記の記事で紹介しています。

朝食を抜くと耐糖能が障害される

以前の記事で、朝食を抜くとインスリン抵抗性が悪化しインスリン分泌が低下する、という米国糖尿病学会のサイトに ...


記事中で紹介している論文は、The American Journal of Clinical Nutrition に掲載された研究で、

BMI 23.7±4.6 の17人の健常者を集め、3食摂取、朝食抜き、夕食抜きの3つのグループに分けられ、食後血糖値や炎症応答等が調べられました。

すると、昼食後の血糖値は、夕食抜きよりも朝食抜きで高くなり(+46%)、絶食時間が長いほど、昼食後の炎症応答が高まりました。
論文では、朝食のスキップによる脂肪酸化の増加(遊離脂肪酸の増加)は、長期間の絶食に応答した代謝不全性の発症を示唆しており、軽微な炎症およびグルコース恒常性の障害をもたらす、と結論付けています。


結局、健常者、2型糖尿病患者を問わず、朝食抜きは血糖値の上昇、代謝不全、遊離脂肪酸増加による炎症応答を招くようです。

「とりあえず朝食は食っとけ!」という結論でよろしいかと思われますが、「何を食えば良いのか?」という問いにも結論となる研究があります。

朝食時の炭水化物摂取は2型糖尿病リスクが低下する

【悲報】糖質制限シリーズです。 糖毒真理教総本山公式ブログによると、夕食抜きより朝食抜きの方が良いそう ...


上記記事では、Obesity(月刊デブ) という学術誌に掲載された研究を紹介しています。

研究は、21,152人の男性医師による健康調査を基に、分析した結果です。
研究によれば、朝食時の穀物消費量の増加は、男性医師の2型糖尿病リスクの低下と関連していることを示しました。
更に、全粒穀物を摂取した個体では、精製穀物を摂取する個体よりも強い関連があった、と言っています。


つまり、朝食にシリアルやオートミールを食べることは、ちゃんと意味のある行為だったのです。

ところで、「朝食抜き」というのは、とどのつまりは絶食時間が長くなるということに弊害がありそうなんですが、ほんじゃぁ絶食時間が長くなる「断食」やら「プチ断食」というのは駄目なのか?と言うと、普通に駄目なのです(笑)
↓の大阪大学のプレスリリースをご覧ください。

「絶食」と「老化」で共通の機構がはたらく ~オートファジーの活性化で肝臓に脂肪が蓄積~

2022年3月17日掲載誌 Autophagy クリックで拡大表示します 絶食時、脂肪組織から中性脂肪が放出され、 ...


巷のネット記事等では、「プチ断食でオートファジーを活性化!健康やダイエットに役立つオートファジー!」なんていう記事が花盛りですが、実は健康やダイエットに役立つどころか、害だったのです(笑)

ま、しかし、断食真教の皆さんの名誉のために言えば、不健康なダイエットには役立ちます(笑)

上記の論文によれば、絶食時間が長くなると、確かに脂肪組織にオートファジーが誘導されます。
そしてその結果脂肪組織(脂肪細胞)が減少します。
これは急激なダイエットや老化によっても同じように脂肪組織は減少します。

「脂肪組織が減るんだから良いんでない?」

と考えがちですが、世の中そんなに甘くないのです。
めでたく脂肪組織が減ったところに、高脂肪食、揚げ物、炒め物、牛肉、豚肉、バターやチーズを食ったらどうなるか?
脂肪組織が減るということは、脂肪そのものを貯蔵する倉庫が減るということです。
体内に入った脂肪は、倉庫のキャパがなくなってしまい、肝臓なんかに内臓脂肪として貯まり出すのです。

老化でも脂肪組織でのオートファジー過剰が脂肪肝を引き起こすことがこれまでに判明しており、脂肪組織では老化と絶食で共通する機構が働くことが明らかになった



ということらしいです。
ああ、恐ろしい(笑)




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