
ちはっす。
糖尿病患者の運動療法は、googleで検索すれば、鬼のように出てきます。
それらの一つを、どれでも良いのですが、選択して実行してもそこそこの効果は現れ、そこそこ糖尿病は改善されます。
これは当ブログでも再三指摘している通り、
如何なる運動もやらないよりはやった方が効果がある
という糖尿病運動療法の第一定理に基づいています。
とは言え、では、一番効果のある運動は何か?と問われれば、ありがたいことに現代科学では、どんな運動をどの様に行えば最も効果があるのかという答えが用意されています。
今回は、その辺のところを論文等を紹介しつつ、説明したいと思います。
有酸素運動と筋トレではどちらが効果があるのか?
このブログを古くからご覧頂いている方々には、今更感のあるテーマですが、論文を紹介します。
Resistance exercise training lowers HbA1c more than aerobic training in adults with type 2 diabetes - Diabetology & Metabolic Syndrome
筋トレは、2型糖尿病の成人において有酸素運動よりも HbA1c を低下させるという、そのまんまのタイトルの論文です。
この研究では、等カロリーの筋トレグループと有酸素運動グループに分け、週3回、10週間行なったところ、筋トレ運動群ではより大きなHbA1cの減少が認められ、10週間後のHbA1cレベルは、有酸素運動を受けた群よりも有意に低かった、という結果になっています。
ほんじゃぁ、筋トレ以外の運動と有酸素運動を比べたらどうなのよ?と言いますと、下記論文では高強度インターバル運動を有酸素運動と比較し語られています。
High-Intensity Intermittent Exercise and Fat Loss
High-Intensity Intermittent Exercise and Fat Loss: The effect of regular aerobic exercise on body fat is negligible;
論文の冒頭で、いきなり、
定期的な有酸素運動が体脂肪に与える影響はごくわずかです。
なんて書かれています(笑)
そして以下に続きます。
他の形式の運動は体組成に大きな影響を与える可能性があります。
たとえば、高強度インターバル運動を調べた新しい研究では、皮下脂肪と腹部の体脂肪を減らすのに効果的である可能性があることが示されています。
運動の強度が体脂肪に与える影響を調べた論文は他にも色々とあります。
Impact of exercise intensity on body fatness and skeletal muscle metabolism
上記の研究では、20週間の有酸素運動と15週間の高強度インターバル運動のグループで比較を行いました。
有酸素運動のグループの総消費エネルギーは28,762Kcalで、高強度インターバル運動のグループは13,832Kcalであったにも関わらず、高強度インターバル運動のグループの方が皮下脂肪の減少が顕著でした。
トレーニングのエネルギー消費を補正すると、高強度インターバル運動の皮下脂肪の合計の減少は、有酸素運動によるものよりも9 倍大きかった、という結果になっています。
有酸素運動が、如何に時間の無駄であるかがよく解る結果となっています(笑)
筋トレはどの様に行えば糖尿病治療に最も効果があるのか?
筋トレが有酸素運動よりも、より糖尿病治療に効果があるのは解ったとして、ほんじゃぁ、その筋トレはどんな風にやったらええの?という問題です。
これも実は、研究結果があります。
便利な世の中になったものです。
Effects of Intensity and Volume on Insulin Sensitivity During Acute Bouts of Resistance Training
この研究では、中強度(65%1RM)と高強度(85%1RM)のグループに分け比較調査しました。
65%1RMというのは、1レップ(1回)が最大筋力の65%という意味で、おおよそ12回~15回ぐらいで限界になる重量ということです。
85%1RMは、およそ6回が限界の重量(6回以上は挙がらない重量)です。
どちらのグループも、空腹時血糖値はシングルセットよりも複数セットでより低下しました。
つまり、トレーニングのボリューム(量)が多ければ多いほど、空腹時血糖値は低下します。
また、高強度のグループは中強度のグループと比較し、インスリン感受性の有意な低下を示しました。
そして、高強度かつ複数セットは、空腹時血糖値とインスリン感受性の両方で最大の治療効果をもたらしました。
つまり、糖尿病運動療法で最も効果のある筋トレは、高強度かつ高ボリュームということです。
とは言え、実際どれぐらいやればいいの?という質問を時々頂きます。
この答えは意外と簡単で、自分の食後血糖値や空腹時血糖値が正常に収まる程度の運動をやれば良いのです。
逆に言えば、運動しているのに食後血糖値や空腹時血糖値が高いなら、全く運動が足りていないということです。

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