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運動療法の何が問題なのか?

ちは。

今回は、病院で勧められる運動療法、つまり一般的に糖尿病治療を目的とする運動療法の問題点を真面目に語りたいと思います。

まず、一般的に、運動療法の目的というのは、

1.血糖値を下げる
2.肥満の解消、遊離脂肪酸を減らす
3.インスリンの感受性(効き)を良くする

と言われています。
これについては、私も全く異論がありません。
正にこういうことだと思います。
この上記3点については、食事制限だけでは追いつかないからです。

インスリン抵抗性による遊離脂肪酸の増加は、とりあえず増え過ぎた遊離脂肪酸を消費しないことには、食事制限だけでは追いつきません。

3の「インスリンの感受性(効き)を良くする」というのは、継続的な運動というのは、インスリン感受性を良好にすることがハッキリと解っているからです。

さて、では1の「血糖値を下げる」という点についてです。
これには少々説明が必要です。
「血糖値が下がる」というのは、身体が糖を吸収するからです。
で、その糖は、身体のどこに吸収されるかと言いますと、7~8割は骨格筋が吸収します。
つまり、筋肉が糖を吸収しないことには、血糖値は下がらないのです。

通常、我々の筋肉は、インスリンがインスリン受容体に結合し、IRS1というインスリン受容体基質がリン酸化され、以下そのシグナル伝達を経て、GLUT4というグルコーストランスポーターが細胞膜上に移動し、糖を取り込みます。
これをインスリン経路というのですが、インスリン抵抗性やインスリン分泌不全により、この経路はポンコツになっています。
そこで、もう一つのAMP/ATP経路を使って糖を取り込むというのが、筋収縮、つまり運動による糖の取り込みです。

このAMP/ATP経路の仕組みを十分に理解することは、効率的な糖の取り込み、及び効率的な運動療法を行う上で非常に重要です。
当ブログにおいても、何度も説明して来ましたが、今一度簡単に説明したいと思います。

筋収縮(運動)すると筋肉でATP(アデノシン3リン酸)が分解されます。
ATPというのは、簡単に言えば、我々のエネルギーの源みたいなもので、ATPがADP(アデノシン2リン酸)とAMP(アデノシン1リン酸)に分解される時のエネルギーを我々は使っています。
このATPが分解され減少すると、つまりAMP/ATP比が増加すると、AMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)という蛋白リン酸化酵素が活性化されます。
このAMPKが活性化されると、GLUT4のトランスロケーションが起こり、筋肉の細胞内へのグルコース取り込みを促進するのです。
つまり、ATPを大量に消費すればするほど、糖の取り込みは促進される訳です。
ま、単純に言えば、エネルギーを使えば使うほど、エネルギーが必要だということです。

問題は、このATPを大量に消費する運動というのは、どういう種類の運動か?ということです。
それは即ち、筋グリコーゲンが枯渇するぐらいの運動ということになります。
実際、GLUT4の発現が最大になるのは、筋グリコーゲンが枯渇した時です。
つまり、効率的な糖の取り込み(効率的に血糖値を下げる)には、運動は高強度でなければならない訳です。

もうこの時点で低強度の有酸素運動は使えません。
デブがジョギングしたり、深夜徘徊のように歩いたところで、埒が空きませんし、長時間行えば、膝や腰を痛めるだけです。
そんなことするぐらいなら、短時間でダッシュを繰り返した方が効果的ですが、これとてデブは膝を痛めるでしょうし、恐らく口から心臓が飛び出ます。
デブが高強度でできる運動など、ほとんど筋トレぐらいしか残っていないのです(笑)

もう1点、有酸素運動が致命的にダメな点は、筋肉が増えないことです。
というか、むしろ、筋量は減ってしまいます。
有酸素運動というのは、酸化系の代謝を行う遅筋が主に使われるのですが、この遅筋というのは元々小さな筋肉で、大して大きくはならないのです。
通常、我々が「筋量が減る」とか「増える」という時の筋肉は、解糖系の速筋のことです。
速筋というのは、大きな筋肉ですが、いらなくなるとすぐに分解されてしまいます。
当然のことながら、有酸素運動をやり過ぎれば、代謝効率を上げるためにも、真っ先に速筋は分解されます。
先に述べたように、糖の7割~8割は筋肉が吸収するのですから、その肝心な筋肉を減らしてしまったら元も子もない訳です。

インスリンとは何か?」という記事で説明しましたように、インスリンが働きにくくなると、タンパク質合成が悪化の上、異化が亢進し、何もしなくても筋肉は減ってしまいます。
事実、糖尿病患者は、一般の健常者に比べると有意に筋量が減っています。(主に速筋)
そんな時に、食事制限と有酸素運動を行えば、モヤシ一直線で、インスリン抵抗性は恐らく改善するでしょうが、結局は糖尿病発症時よりも、更にエネルギー過剰に成りやすい状態、つまり、ちょっと食えばすぐにリバウンドし、また糖尿病発症ということになります。
要するに、相対的なエネルギー過剰状態というのは、器が小さければ、大して食ってなくてもエネルギー過剰に成り易いということです。

ところで、最近では筋トレの効果も認知されており、運動療法でも積極的に筋トレが推奨されています。
では、筋トレもやれば、万事解決か?と言うと、世の中そんなに甘くはないのです(笑)
そもそも速筋を増やすなんてことは、健常者が行っても難しいことなのに、タンパク質合成もできない糖尿病のポンコツが、「ちょっと筋トレやってみました!」程度で、糖尿病が完治できる訳がないじゃないですか。

本当に即効で糖尿病を完治したいと思ったら、最も効率が良く合理的なことを気合と根性でやり遂げなければならないのです(笑)
だから、即効で完治できるのです。

-つづく-


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コメント

改めて再確認したいことがあります。

有酸素運動は筋肉量を減らす(カタボリック状態)と言いますが、これは空腹な状態で有酸素的な運動をすればの話であって、糖質などを其れなりに摂取して行えば多少なりとも筋肉量が減少することを阻止することは可能なのでしょうか?

私は筋トレ以外に週1~3回ほど、知人との付き合いで登山等やサイクリング等を遣らなければならず、その際の筋量減少が気になるのですが、出来る限り止めた方が宜しいでしょうかね?

因みに、上記説明のような有酸素的運動をどうしても行わなければならない場合に筋量減少を最小限にする方法は何でしょうか?

2014/02/13 (Thu) 05:58 | ジュリエッタ #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

ジュリエッタさん、こんちは。

私の書き方が拙かったと言うか、説明不足の点があったと思います。
で、説明し出すと長くなるので、次回の記事でご説明します。
今しばらくお待ちください。
すんません。

2014/02/13 (Thu) 16:17 | 王城 恋太 #- | URL | 編集

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