
ちはっす。
前回からの続きです。
今回は、いよいよ諸悪の根源である糖代謝異常、とりわけインスリン抵抗性は何故起こるのか?というお話です。
恐らくこれは一番皆さんが想像し易い理由だと思います。
病院で糖尿病と診断されたら、まずはカロリー制限と運動で「痩せろ」と言われますね。
要するにこれは「脂肪を減らせ」という意味なんですが、インスリン抵抗性の支配的な原因というのは、脂肪過多による肥満だからです。
但し、脂肪過多による肥満と言っても、必ずしもデブだけの問題ではありません。
内臓脂肪や異所性脂肪などは、皮下脂肪が増えにくいモヤシの方が増えたりする場合があるからです。
やせ型糖尿病は筋肉の質の低下が原因である可能性
脂肪の蓄積により、脂肪細胞が肥大化すると、脂肪細胞から遊離脂肪酸の放出が増えます。
遊離脂肪酸が大量に骨格筋に運ばれると、インスリン受容体基質であるIRS1タンパクのセリン残基をリン酸化し、正常なリン酸化過程が阻害され、IRS1以降のシグナルが伝達されなくなります。
そうすると、インスリン依存のGLUT4のトランスロケーションができなくなり、結果的に骨格筋に糖が取り込まれにくくなります。
更に、以前記事でも紹介したことがあるのですが、
徳島大「インスリン抵抗性」を解明 糖尿病根治薬へ新たな道
徳島大学の研究グループが、肥大して弱ったり死んだりした脂肪細胞からDNAの断片が離脱し、それが増えると、Toll様受容体9がそのDNAの断片を外敵と誤認識し、マクロファージを呼び寄せ炎症を引き起こすことを解明しました。
脂肪細胞の周囲に集積したマクロファージは、炎症性サイトカインであるTNF-αを産生します。
このTNF-αも、また、インスリン受容体基質であるIRS1の正常なリン酸化過程を障害し、インスリン抵抗性状態を引き起こします。
一方で、以前の記事、
肥満型の2型糖尿病の病態解明
で紹介した研究によれば、
8週間にわたり高脂肪食を負荷したマウスの血管内皮細胞では、インスリン受容体であるIRS2の発現が低下しており、それに伴い、インスリンによる内皮型NO合成酵素の活性化が約30%に低下していた、とあります。
これは、どういうことかと言いますと、インスリンは血管内皮細胞においては、IRS2以下のシグナル伝達を介し、NO合成酵素を活性化しNO(一酸化窒素)の産生を促し、血管の拡張に寄与しています。
つまり、肥満や高脂肪食により、血管内皮細胞のIRS2の発現が低下すると、インスリンが分泌されても、血管が拡張しにくくなります。
そうすると、インスリン自体が骨格筋に運ばれにくくなり、結果的に血中の糖が吸収されなくなってしまいます。
一旦インスリン抵抗性が始まれば、偶然にせよ必然にせよ原因が取り除かれないことには徐々に憎悪するだけです。
それはつまり、時間と共に身体が高血糖・高脂肪の状態になって行くということです。
かくして病院では「デブは痩せろ。話はそれからだ。」という話になります。
しかしながら、単に体重を減らすだけでは確実に筋量も減るので、耐糖能は以前より悪化します。
つまり、インスリン抵抗性は改善されるかもしれませんが、以前よりも身体はインスリン抵抗性が起きやすい状況になってしまうということです。
更に、痩せ型で発症してしまった人達は、これ以上痩せる訳にも行かず八方塞になります。
病院の食事療法・運動療法では、体重を減らすこと、つまり脂肪も筋肉も同時に減らすことはできますが、脂肪を減らして筋肉を増やすことなどは到底できません。
そういう知識もノウハウも病院にはないからです。
無論、糖質制限などやったところで、モヤシかひょうたんになった挙句、糖代謝は悪化と、わざわざ糖尿病を治らなくするようなものです。
ここから先というのは、別の知識が必要なのです。
関連資料:
異所性脂肪と2型糖尿病・心臓血管病

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