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インスリンと糖および脂肪を世界一解り易く解説する

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ちはっす。

インスリンや糖、脂肪を語り出すと、話が専門的になったりして、ややこしくなります。
過去記事をご覧頂ければ、頭が痛くなりそうな話が多々あります(笑)

そこで今回は、これらを誰にでも解り易く解説する、という企画です。

ちなみに、時々「世界一解り易く解説する」企画をやると、お医者さんから「患者に説明する時に非常に参考になる。」と、お礼のメールを頂くことがあります(笑)

意外とこのブログはお医者さんの読者も多いのです。
だから普段、私はお医者さんを馬鹿にするような発言は滅多にしないでしょう?(笑)
無論、糖毒系のカルト医師は別です。
あいつらは正真正銘の馬鹿ですから(笑)

まずは、大まかな流れ的な概念を理解した後、徐々に細かいところを調べて行けば、理解も早いと思います。


我々の身体が糖を取り込む方法は、大まかに言えば2種類あります。
インスリンの作用で糖を取り込む場合(インスリン経路)と、インスリンなしで糖を取り込む場合(非インスリン経路)です。

とりあえず、解り易く簡単に説明しますと、

我々が食事をすると、血液中に糖が増えます。
糖が増えると膵臓はインスリンを分泌します。
インスリンは血液中をウロウロしながら、あちこちの細胞のドア前でインターホンを鳴らします。
このインスリンがインターホンを鳴らすことがインスリンのシグナル伝達です。
このインターホンは「キミんちの前に食料が来たよ!」という合図です。
インターホンが鳴ると、細胞の奥からGLUT4というおっさん(おばはんかもしれません)がドア前まで出て来ます。
GLUT4は、家の前にジャンジャン流れてくる糖を適当に掴んで奥に引っ込みます。
こうして細胞一家は糖を取り込むことができ、飢餓から免れます。

というのが、インスリン経路による糖の取り込みです。

インスリン抵抗性というのは、このインターホンが壊れている状態です。
ですからインスリンがボタンを押してもインターホンが鳴らなず、GLUT4は出てこないのです。
憐れ細胞一家は糖を取り込むことができず、次第に極貧生活になって行きます。

もう一つの非インスリン経路というのは、我々が運動(筋収縮)をすることにより起こります。
運動を行うと、細胞一家はいろいろな労働に駆り出されることになります。
散々コキ使われ、細胞一家は腹ペコになります。
そうすると、細胞一家のGLUT4は、腹ペコで我慢できず、インスリンがインタホーンを押すのを待ちきれず、もうドアを開けて家の前で食料を待っています。
この場合は、インスリンが来ようが来まいが、糖を持って行ってしまいます。

一方で、食後には食事由来の脂肪もジャンジャン流れて来ます。
これもインスリンの働きと合図により、脂肪細胞が脂肪を取り込むことで、脂肪の渋滞も緩和されます。

という様な感じで、我々の身体は日々動いています。
ところが、食い意地の張ったグータラは、とかく食い過ぎます。
食い過ぎると、余分に摂取したものは脂肪として蓄えられることになります。

少々脂肪が増えたところで、どうと言うこともないのですが、如何せん食い意地の張ったグータラというのは、足るを知りませんから、際限なく食い続けます。
そうすると、いつかは脂肪細胞も、これ以上蓄えられない状態にまでなり、脂肪細胞から余った脂肪が溢れ出し、血液中に流れ出します。
中には、脂肪が貯まり過ぎて破裂する脂肪細胞まで現れます。

実は、際限なく脂肪を取り込めるような才能あるデブは、こういう心配がないのですが、たいていのグータラはデブの才能もないくせに食い意地だけは張っていますから、世の中なかなか上手くは行きません。
モヤシともなると、もはやデブになることすらできず(なりたくもないでしょうが。笑)、ただグータラというだけで、同じ様な状況に陥ります。

そうすると、今度は血管大通りが脂肪酸で渋滞し出します。

実は、脂肪というのは糖よりも図々しいので、勝手に細胞一家の家の中まで上がり込んでエネルギーとして使ってもらえます。
ですから、細胞一家は、普段はこの脂肪をメインエネルギーとして使っています。
そうでないと、我々はアクビすらできませんし、体温を一定に保つこともできません。

しかしながら、通りに脂肪がジャンジャン来たからと言っても、そもそもエネルギー需要がなければ余分に必要がありません。
特に、宿主がグータラの場合は、運動しませんから余分なエネルギー需要など皆無です。

そうすると、脂肪は勝手に家の中に上がり込んでたむろし、中には玄関のインターホンを壊す奴まで現れます。
インターホンが壊されると、インスリンが来ても気が付かないので、糖が入手できなくなります。

更に酷い奴になると、勝手にその辺に住み着いて既得権まで主張し出します。(異所性脂肪)

この期に及んでも、宿主であるグータラは、食い意地のまま高脂肪食を食べ続けますから、血管大通りの渋滞は緩和されるどころか、更に脂肪で大渋滞します。

行き場の無くなったホームレスの脂肪は、あちこちの臓器にまで住み着きます。(内臓脂肪)
すい臓のβ細胞周りにたむろし出した脂肪は、β細胞自身を壊してしまい、インスリンの分泌を低下させてしまいます。

ただでさえ細胞一家のインターホンが壊れているのに、今度はβ細胞が壊され、インスリンが来なくなってしまいます。
ついには、通りには糖までもが渋滞し出しました。

インスリンが来なくなると、脂肪は合成・吸収されず、通りにはますます脂肪が渋滞します。

更に具合が悪いことに、細胞一家は糖不足で困っているので「こうなったら是非もなし。」と、筋肉を質に入れ、肝臓に糖を作ってもらいます。
肝臓は糖を作って通りに放出するんですが、インターホンは壊れているしインスリンは来ないわで、更に糖も渋滞する状況になります。

細胞一家の窮状を聞きつけた脂肪細胞は、「これでも使って下さい」と手持ちの脂肪を分解して放出します。
つまんないところでハッスルする脂肪細胞のおかげで、通りは更に脂肪で大渋滞に陥り、もはや収拾がつかなくなります。

ちょうどその頃、宿主のグータラは、病院で医師から「糖尿病」と宣告され、ブログでも書き始めています(笑)

「私だって好きで糖尿病になった訳じゃない!」
とでも、言ってんでしょうか?(笑)

この脂肪と糖による収拾がつかないような大渋滞を、とりあえず何とかするには「運動」なんですが、この期に及んでもグータラは運動しようとしません。

そんな訳ですから、次回は「非インスリン経路」というものを詳しく見て行きましょう。


-つづく-


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Theme: 糖尿病 | Genre: 心と身体

コメント

わかりやすい!

すごく分かりやすいですね。人に説明するとき参考にさせていただきます。

昨年1月に糖尿病診断されてから王城メソッドで筋トレを始めて、わりとすぐ結果出たかな?と思ったんですが、普段は夕食後130以下、でもたまにたいして食べていなくても200越えとかあったり。

なんとなくですがストレスとか寝不足も影響してるのかなと思いました。

もっとも、それを凌駕する圧倒的な筋量があればと、週2ですが足・背中・胸の筋トレを続けて、おかげさまで42歳になって人生で一番良いスタイルをキープしてます。

肩とか大きくしたいんですが、いや、まずでかい筋肉からだろ、と我慢して。
最近、目的が闘病なのか筋肥大なのかあやふやです(笑)
筋トレがすっかりライフスタイルの一部になりました。

2017/08/02 (Wed) 12:39 | 非力なパンダ #- | URL | 編集
コレステロール

王城さんこんにちは。
とてもわかりやすい説明ありがとうございます。
とても勉強になりました!

ところで3月に糖尿になり約5ヶ月。
Hba1c7.9から5.9に。
体重84キロから72キロになりました。
空腹時は1ヶ月後よりすぐ正常に、今は95前後をウロウロしています。

5月よりSGLT2阻害薬が処方され、飲み続けているのですが、正常になった今もずっと処方され、先日新たにコレステロールが高いとコレステロールを下げるスタチン剤のクレストールを処方されました。

コレステロールは確かに高いですが基準値が139に対し3月221→7月157です。(中性脂肪は常に正常でした)
下がってる今処方される意図がわかりません。
先生は心筋梗塞や脳梗塞が危険だから飲んだほうがいいとおっしゃられていたのですが、自分なりに調べたところ米国ではコレステロールと心筋梗塞になんの因果関係もないと発表されており、薬を服用するほうが危険だとも書いていました。
昔なら素直に服用していたと思うのですが王城さんの門下生の今、鵜呑みにするのを辞め、色々ときちんと調べてから行動するようになりました。
王城さんは高コレステロールについてどうお考えでしょうか?
またそれについて書いてある記事がありましたら教えて下さい。(探したのですが見当たりませんでした)

2017/08/03 (Thu) 22:38 | ぐでぶた #- | URL | 編集
Re: コレステロール

ぐでぶたさん、こんちは。

高コレステロールが良くないというのは、統計学的に心筋梗塞や脳梗塞の発症が多いからなんですが、統計ですから因果関係はないという論文も最近ではあります。

論文を読む時の注意点としては、統計やコホート研究等は、それをもって理論の証明にはならないという統計学の基本中の基本を知っておく必要があります。

糖毒馬鹿は、よくコホート研究や統計等の論文を引っ張って来ては「証明された!」とおしっこちびっていますが、そんなもので連中が喜べるのは、何も知らない馬鹿だからです(笑)

ですから、いろいろ調べて総合的に判断しなければいけません。
一つの論文で「安全だ!」と言い切るのは、阿呆の所業です。

動脈硬化で言えば、LDL値が高いというよりも、むしろ相対的にHDL値が低い方がリスクが高いと言われていますし、また、LDLコレステロールが過剰に存在すると、動脈壁に張り付き、動脈硬化の元を形成するとも言われています。
実際、投薬でコレステロール値を下げると、心筋梗塞や脳梗塞の発症率が下がった、というデータもあります。

ま、いずれにしても、正確に言うならば、危険かもしれないし、もしかしたら危険でないかもしれない、としか、私の知識からでは言えません。
そうすると、取り得る一番の安全策は、基準値に収めておく、ということなんですが(笑)

で、以上のことを踏まえて言うとですね、

そもそも、157という数値は、大袈裟に騒ぐほどの数値なんですか?(笑)
と言いますか、今まで投薬なしで、221から157に下がったんですよね?
このままダイエットを続けて行けば、更に下がるんじゃないですか?

今更投薬の必要性も感じられませんが、私はお医者さんではないので、別のお医者さんの意見を聞いてみることをお勧めします。

結局、こんな答えですんません(笑)

あ、あと、疑問に思ったら、その場で本人に聞いてみた方が良いですよ。
私の場合は、よく「お前は阿呆か?」と、その場で言います(笑)

2017/08/04 (Fri) 02:04 | 王城 恋太 #- | URL | 編集
今、王城さんのブログを読みがんばっています。

今年の5月に、空腹時血糖112  HbA1c6.2 で糖負荷試験で二時間後が246という結果がでてしまった、身長166cm 体重95kg のグータラデブです。
 もともと、ジムにも会員にもなっていましたが、半年以上通わず、浴びるくらい酒を飲み、食うだけくって糖尿病の宣告を受けてしまい、こちらのブログを発見しやってみたところ体重84kg、空腹時血糖86 食後二時間が145 になりました。ありがとうございます。
しかし、完治としてはまだまだなので、ご相談があります。昔から、柔道をかじっており、今もブラジリアン柔術をやっています。(ジムと同じ半年以上さぼってましたが)今、上半身と下半身にわけて高強度の筋トレをジムでしていますが、ブラジリアン柔術も一緒に再始動しました。
糖尿病完治としては、柔術と筋トレ、どちらを優先したほうがよいでしょうか?
現在、柔術週2(一時間スパーリング)、ジム週2(上半身1、下半身1)のペースです。

2017/08/05 (Sat) 09:02 | グーぺー #JalddpaA | URL | 編集
Re: 今、王城さんのブログを読みがんばっています。

グーぺーさん、こんちは。

素晴らしい効果です!

柔術と筋トレ、どちらを優先するかという問題ですが、格闘技系というのはだいたいにおいて高強度の運動なので、今のように半々でよろしいかと思います。

私も今では、キックボクシングと筋トレは半々ぐらいになっています。

とは言え、格闘技というのは、一にパワーです。
筋トレを疎かにできません。

圧倒的なパワーは小手先の技を凌駕するのです。
是非、範馬勇次郎並みのパワーを身に付け、腕ひしぎ逆十字などアームカールで返して、そのままパワーボムで投げ捨てて下さい(笑)

2017/08/05 (Sat) 12:11 | 王城 恋太 #- | URL | 編集
早々の返答ありがとうございます。

早々の回答ありがとうございます。
ビスケット・オリバのような体を夢見てがんばります(^0^)
実施目標はバンダレイ・シウバか、若き日のヒクソンですかね〜

 王城さんのブログは本当に励みになるので、ありがたいです。

2017/08/05 (Sat) 14:12 | グーぺー #JalddpaA | URL | 編集
No title

王城先生、ご無沙汰しております!

実はあれから別件で手術・入院を経験し、それをきっかけに4ヶ月ほどジムをサボっておりました。入院中は一日4回の血糖値検査があり、手術直後は血糖値が200ほどに跳ね上がりましたが、その後は120前後で推移し(点滴に糖が入っていたから?)、現在は90台で落ち着いています。

筋トレを4ヶ月もサボっていたので体重は8キロ増えましたが、まだ太れる力が残っていたのは喜ばしい事かもしれません。
先日筋トレを再開しましたが、現状以前ウォーミングアップで行っていた重量が精一杯で筋肉の落ち方に愕然とするばかりです。

落ちた筋肉を元に戻す日々に何か別の快感を覚えてしまいそうですが、またよろしくお願いします。

ちなみに体重が増えたにも関わらずヘモ5.3と安定しています。

2017/08/06 (Sun) 17:13 | 噛ませ豚 #XmMyWn3s | URL | 編集
なにこれ楽しい!

凄いですね!めっちゃ分かりやすくて、読んでいて楽しいです。目に浮か
ぶよう。
小学校高学年なら充分理解でき、挿し絵を入れたらそれ以下の学年でも理
解できるのではないでしょうか。
私は、糖毒教や藪医者が阿呆な事を言っている事は分かるけど、治し方ま
では辿り着けません。
続きが楽しみです!

論理的思考って、美しい物が好きじゃないと無理かなと思いました。
思考の調和というか。不協和音を見逃さないというか。

2017/08/07 (Mon) 09:00 | めろん #- | URL | 編集
Re: No title

噛ませ豚さん、こんちは。

さすがに4カ月も休むと、筋肉も落ちたとは思います。
とは言え、またトレーニングすれば良いだけの話なので、どうということもありません。

それよりもまた元気になられたことは良いことです。

再び張り切って参りましょう!

2017/08/07 (Mon) 15:42 | 王城 恋太 #- | URL | 編集
Re: なにこれ楽しい!

めろん さん、こんちは。

小難しい話は、小難しいまま覚えても本当に理解できてるかどうかは怪しいものです。

学校の勉強の一番駄目なところは、いきなり小難しい話から入るところです。
そうすると、そういう小難しい話を抽象的な概念と言いますか、解り易くイメージできる人以外は、ただ小難しい話を暗記しているだけで、理解とはほど遠い感じになります。

何よりも、小難しい話はつまらないから興味が持てない(笑)

ですから、最初は解り易い話で全体像を捉えた後、徐々に専門的な話にして行った方が、万人に解り易いのです。

「そんなものは学問ではない」という意見もありましょうが、学問など大学に行ってからやればよいのです。
義務教育や高校レベルの話が解らないような阿呆を量産するより、遥かにマシです。

2017/08/07 (Mon) 16:02 | 王城 恋太 #- | URL | 編集

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