FC2ブログ

糖質制限は、なぜ耐糖能が悪化するのか?

20161002.jpg



ちはっす。

以前の記事、

糖質制限で糖尿病になる仕組み

の続編と言いますか、追加みたいな記事です。

前記事で説明しました通り、体内で慢性的に遊離脂肪酸濃度が上昇する環境が続くと、脂肪による慢性炎症により、膵臓のβ細胞の機能不全を惹起します。

この「体内で慢性的に遊離脂肪酸濃度が上昇する環境」というのは、肥満や内臓脂肪の蓄積が原因になります。
更に糖尿病になっても同じことが起きます。

糖尿病になると、インスリン抵抗性、あるいはインスリン分泌不足により、脂肪の合成は滞り、分解が亢進して行きます。

通常、健常者であれば、食事をするとインスリンの作用により、体内の遊離脂肪酸濃度は下がります。
ところが、糖尿病患者の場合、インスリン作用不足により、食事由来の脂肪酸が(脂肪の)合成・蓄積できず、逆に体内の遊離脂肪酸濃度は上がってしまいます。

つまり、糖尿病患者の場合、最初は肥満、あるいは内臓脂肪の蓄積により、身体は脂まみれになって糖代謝に異常を来たし、糖尿病になると、今度は糖尿病自身が原因で、更に身体は脂まみれになり、糖尿病は悪化(β細胞の機能障害は進行)して行くことになります。

そして実は、糖質制限を行っても食後の遊離脂肪酸濃度は下がり難くなります。
これは厳格な糖質制限を行えば行うほど、インスリンの追加分泌は少なくなりますから、糖尿病患者がインスリン作用不足になるのと同様に、食事由来の脂肪酸が合成・蓄積に向かわず、身体中を徘徊し、結果として遊離脂肪酸濃度は下がり難くなるのです。

以前の記事でも紹介した、

健常者における低糖質ケーキが糖脂質指標に与える影響
低糖質ケーキは血糖値を上げにくい


に、よれば、
通常のケーキと低糖質ケーキを健常者に摂取してもらった結果、当然のことながら低糖質ケーキの方が血糖値は上がりにくいという結果になりましたが、遊離脂肪酸の低下は、通常ケーキで有意に低下(負荷前値の 70%)したが、低糖質ケーキでは同28.1%であり、10名中4名は負荷後に増加してしまいました。

当然のことながら、増加の割合というのは、エネルギー需要(ATP需要)に関係するので、個々人により差はあります。
普段から、よく動いていたり、運動している人であれば、エネルギーとして使われるので早く減ります。

逆に、運動不足の人やカロリーオーバーになっている人は、急激に増え、身体は脂漬けになります。
高脂肪の糖質制限というのは、カロリーオーバーであれば全く機能しないのです。

これらの体内における高脂肪環境は、すい臓ではβ細胞の炎症による機能不全、β細胞の委縮を引き起こすことが解っていますが、今回紹介するのは、この高脂肪環境が直接的にβ細胞によるインスリン分泌の低下を招く、というものです。

高脂肪食というのは、β細胞の機能不全・委縮とβ細胞のインスリン分泌の低下というツープラトンの攻撃で、耐糖能を悪化させて行くのです。


Scientists show how fatty diets cause diabetes

Pathway to diabetes through attenuation of pancreatic beta cell glycosylation and glucose transport


研究者は、β細胞が高脂肪環境に晒されると、FOXA2およびHNF1Aという2つの重要な転写因子を妨害することを発見しました。
これらの転写因子の発現が低下すると、GnT-4a(グリコシルトランスフェラーゼ4a)と呼ばれる酵素の産生が低下します。
このGnT-4aの発現が低下すると、β細胞は血中の糖を感知して応答することができないことが解りました。

通常、β細胞は、 細胞膜に固定されたグルコーストランスポーター(Glut2)を用いて血流の糖をモニターしています。
食後、血糖が高くなると、β細胞はこの追加のグルコースを取り込み、インスリンを分泌することによって応答します。

ところが、 細胞膜におけるグルコーストランスポーター(Glut2)の適切な保持は、GnT-4aの働き(特定のglycan構造を有するタンパク質を修飾する)に依存しているので、GnT-4aの発現が低下すると、β細胞はGlut2を細胞膜に保持できず、糖を取り込めなくなり、結果、インスリンの分泌ができなくなる訳です。

要するに、肥満であれ、内臓脂肪であれ、グータラ病であれ、糖毒脂肪食であれ、身体が高脂肪環境に晒されるような状況は、耐糖能が悪化する危険がある、ということです。


糖尿病食事療法なら全粒穀物!【まずは Amazon で買える玄米】


何か押してけ!↓
このエントリーをはてなブックマークに追加
  • にほんブログ村 病気ブログ 2型糖尿病へ

o-Method
2型糖尿病の完治を目指す会

糖尿病の完治を目指す人と完治した人が集まってます。

MonsterFactory8.png
モンスターファクトリー・オンラインショップ
おまえら、たまにはここで何か買って下さい。

コメント

筋トレすると体調が悪くなる。

はじめまして。

コメント失礼します。

35の男です。

いい体になりたく筋トレを良くするのですが1カ月ぐらいすると体調が崩れます。 口唇ヘルペスが出来て疲れが抜けず。時には風邪をひいてしまいます。。

三交代の仕事をしているので睡眠が不規則なのは承知しています。

よろしければ何か体調が崩れないようにする良い方法ありませんでしょうか?

ご教授いただけたら幸いです。

よろしくお願い申し上げます。

2017/12/08 (Fri) 23:31 | 康太 #- | URL | 編集
No title

身体が脂だらけ、というのは、血管の中を脂がず〜〜っっと流れまくってますよ、ということなんですよねぇ…

食べた脂が、脂肪細胞にならないから…

"インスリンの働き"で検索すると、
"脂肪組織で脂肪が合成されるのを促進したり、脂肪の分解を抑制します"

と出て来るので、インスリンは働かない方が良いのかな?と思いがちですが、まさか逆に見ると、脂肪細胞にならないなら血管中脂肪だらけのままだよ!という意味だったとは、全然読めませんでした。

それで、脳梗塞や心筋梗塞とかになりやすいのですねぇ。

頭使わないと死にますね。

2017/12/09 (Sat) 15:46 | とし #- | URL | 編集
Re: 筋トレすると体調が悪くなる。

康太さん、こんちは。

睡眠不足や不規則な睡眠というのは、体調不良に直結しますからなかなか難しい問題です。

例えば夜勤ならずーっと夜勤にしてもらった方が、まだマシですが、三交代というのは厳しいですねぇ。

対処として、筋トレ後の栄養摂取をしっかり摂るとか、睡眠不足にならないようにするとか、そういうことしかないと思います。
あと、普段の食事も気を付けた方が良いです。

2017/12/10 (Sun) 16:36 | 王城 恋太 #- | URL | 編集
Re: No title

としさん、こんちは。

ちなみに、運動中にも脂肪は分解され、血中の脂肪酸は増えますが、これが何故問題にならないかと言うと、すぐにエネルギーで使われるからなのです。
エネルギー需要が多い(ATP需要が多い)場合も同様です。

問題は、大してエネルギー需要が無い場合、要するに運動しないグータラとか、カロリーオーバーになっている場合なのです。
(無論、糖尿病の場合は、致命的に駄目。)

2017/12/10 (Sun) 16:44 | 王城 恋太 #- | URL | 編集

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する