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2型糖尿病の膵臓β細胞の回復はヒトの生体内研究で既に実証されている

ちはっす。

今回は、以前の記事、

世界の最先端では既に糖尿病は治っている!糖尿病完治とは何か?

に、関連する論文を紹介します。

巷では、いまだに「死んだβ細胞は蘇らないから糖尿病は完治しない!」というオカルト話を垂れ流す阿呆がおります。
過去記事でも何度か触れましたが、死んだ細胞が生き返らないのは当たり前のことであり、β細胞とて例外ではありません。

こんな与太話が成り立つなら、「死んだ筋肉細胞は蘇らないので筋肉は肥大しない」とも言えます。
ですから、↑を言うなら、「β細胞は新生・増殖しないので糖尿病は完治しない。」と言うなら、まだしも主張自体の整合性は成り立ちます。

しかしながら、阿呆にはそんな難しいことは解りませんから、それは言えません(笑)

実際、2型糖尿病患者のβ細胞の増殖能自体は、健常者とほとんど変わりません。

インスリン分泌不全とβ細胞機能不全の改善は可能か?

つまり、2型糖尿病患者のβ細胞の増殖能力は健常者と変わらないものの、β細胞の機能不全やアポトーシスが3倍から10倍に増加しているので、結果的にβ細胞は委縮して行く、ということです。
問題は、この2型糖尿病患者のβ細胞のアポトーシスや機能不全は止まらないのか?ということなのです。

で、最初に紹介した記事内の研究では、完全にβ細胞が正常化し増殖することを実証しています。

そして、今回紹介する米国糖尿病学会の学会誌である Diabetes Care に掲載された論文でも、

2型糖尿病の可逆的性質は、ヒトの生体内研究において実証されている。


と、要するに、β細胞の正常化への復帰が可能であり、2型糖尿病は健常者と同じ状況に戻ることができ、既にヒトの生体内研究において実証されている、と言っています。

Type 2 Diabetes: The Pathologic Basis of Reversible β-Cell Dysfunction.
2型糖尿病:可逆的β細胞機能不全の病理学的基盤


重要なことに、長期的な過剰栄養供給によって生じるβ細胞の脱分化は可逆的である。
ヒトにおける体重減少は、膵臓内脂肪含量の増加が正常レベルへの減少に関連して、第1相インスリン分泌の回復を可能にする。しかしながら、10年を超える2型糖尿病では、細胞の変化は、戻ってこない点を通過するように見える。
このレビューは、早期2型糖尿病が慢性陽性カロリーバランスに対する可逆的β細胞応答とみなされ得るという証拠を要約している。



膵β細胞機能障害の原因とまとめ


この問題については、過去何度と触れて来ましたが、しつこくやります(笑)
結局、糖尿病というのは、このβ細胞の機能障害が進行して行くことにより、罹病期間が長くなればなるほど治りにくくなります。
また、この原因を正しく理解しないことには「糖尿病の寛解・完治」など全く望めません。

β細胞の機能障害というのは、おおまかには下記のものがあります。

  1. インスリン分泌の障害

  2. 炎症によるβ細胞死

  3. β細胞の脱分化


重要なことは、上記3つのすべては、相互に絡み合いながら進行し、結果的にインスリン分泌は低下して行きます。
そして、インスリン分泌が低下して行けば行くほど、益々インスリン分泌は低下するという悪循環になります。

↑の【インスリン分泌の障害】と【炎症によるβ細胞死】の詳細については、

インスリンの機能的低下とは何か?【インスリン抵抗性とインスリン分泌不足】

の、【インスリン分泌不足の原因】を参照下さい。

【β細胞の脱分化】というのは、比較的新しい知見ですが(と、言っても10年以上前)、本記事で紹介した論文においても、アポトーシスによる細胞死よりも、β細胞の脱分化の方が、糖尿病においては大きな原因になっている可能性がある、と言っています。
(あくまでも可能性ですが。)

β細胞の脱分化については、

糖質制限で糖尿病になる仕組み

を参照下さい。

これらの3つの関係を図に表したものが下図になります。

インスリン分泌障害


この複雑怪奇な図は、諸々のことが相互に絡み合い、最終的にβ細胞が障害されながらインスリン分泌が低下して行き、β細胞の障害とインスリン分泌の低下は、更なるβ細胞の障害とインスリン分泌の低下を招くという悪循環になっています。

で、まずは、


1.すい臓のβ細胞が高脂肪環境に晒される

すべてはここから始まります。
内臓脂肪の蓄積、とりわけ脂肪肝というのは、その最も大きな原因の一つです。
もちろん、内臓脂肪が増加すれば相対的に膵臓に蓄積する脂肪が増えますから、これは直接的にβ細胞が高脂肪環境に晒される要因となります。

内臓脂肪蓄積の原因は、カロリー過多、高脂肪食、不活動(運動不足)等ですが、必ずしも肥満型の人だけではなく、痩せ型の人でも蓄積しますし、肥満型の人でも内臓脂肪の多い人と少ない人は存在します。

前回の記事(骨格筋と肝臓におけるインスリン抵抗性とβ細胞機能不全との関係)で紹介した米国糖尿病学会の学会誌に掲載された論文は、「肝臓脂肪は皮下脂肪量よりも、食事中の脂肪の量に関連している」と言っています。
つまり、同じデブでも、高脂肪食で油漬けのデブの方が脂肪肝に成り易いということです。
もっとも、たいがいのデブは油漬けだと思いますが(笑)

痩せ型の人の内臓脂肪の蓄積については、下記記事を参照下さい。

糖尿病発症のプロセス

重要なことは、一旦身体が高血糖環境、つまりβ細胞は正常でもインスリン抵抗性が高まって行くと、皮下脂肪の分解は亢進して行きますから、身体は油漬けになります。(各臓器は脂肪酸に晒される)

そして、この状態が慢性的に続いて行くと、2に進みます。


2.インスリン分泌障害、β細胞の機能障害と細胞死

↑で説明した3つのβ細胞障害の内のインスリン分泌障害と炎症によるβ細胞死です。
β細胞が慢性的な高脂肪環境に晒されることにより、直接的にインスリン分泌は障害され、炎症による機能不全や細胞死が進行して行き、結果的にインスリン分泌は低下して行くことになります。


3.インスリン分泌の低下

インスリン分泌の低下は、4.高血糖&高脂肪と、5.β細胞自身のインスリンシグナル伝達の減弱を招くことになります。


4.高血糖&高脂肪

インスリンの分泌が低下すれば、身体は高血糖、高脂肪状態になります。

インスリンとは何か?

通常であれば、食後に正常にインスリンが分泌されると、食事で摂取された脂肪は、速やかに脂肪細胞に吸収されるので、食後の血中遊離脂肪酸濃度は低くなります。
ところが、インスリン抵抗性があったり、インスリンの分泌が低下していると、脂肪は吸収され難くなり逆に体内の遊離脂肪酸濃度は上がってしまいます。
また、インスリンが働かないと脂肪の分解も進むので、これも身体の高脂肪環境を促進することになります。

加えて、すい臓のα細胞は、インスリン分泌の低下を感知すると、グルカゴンの放出を増やします。
グルカゴンは肝臓において糖新生を亢進させ、脂肪細胞においては、脂肪分解を促進して遊離脂肪酸の放出を増加させます。
これがますます身体の高血糖&高脂肪状態を揺るぎないものにして行き、結果的に、

2.インスリン分泌障害、β細胞の機能障害と細胞死

3.インスリン分泌の低下

と、逆戻りして悪循環になります。

更にこの状態は、β細胞での酸化ストレスを増大させ、直接的にβ細胞内でのFoxO1の転写活性が低下します。
7.FoxO1の転写活性が低下へ)


5.β細胞自身のインスリンシグナル伝達の減弱

β細胞から分泌されたインスリンは、β細胞自身のインスリン受容体に結合し、下流のインスリンシグナルを通じて、β細胞自身の機能や増殖を調節しています。
インスリン分泌が低下すると、このβ細胞自身のインスリンシグナル伝達が減弱することになり、

6.β細胞のオートクラインによる機能や増殖の低下
7.FoxO1の転写活性が低下


へ進みます。


6.β細胞のオートクラインによる機能や増殖の低下

分泌された物質が、分泌した細胞自身に作用することをオートクリンとかオートクラインと言うのですが、β細胞は、このオートクラインによって機能や増殖が調節されています。

Class IA Phosphatidylinositol 3-Kinase in Pancreatic β Cells Controls Insulin Secretion by Multiple Mechanisms

インスリンは、β細胞自身のインスリン受容体に結合し、下流のシグナル伝達を通じ、β細胞の機能と増殖を調節しています。
インスリン分泌が低下すると、最初のスイッチが入らない状態になるので、それに続く下流のインスリンシグナル系が作動せず、β細胞自身の機能や増殖が低下してしまいます。
これが結果的に、

3.インスリン分泌の低下

へ進むという、悪循環になります。


7.FoxO1の転写活性が低下

6.β細胞のオートクラインによる機能や増殖の低下で説明した、β細胞自身のインスリンシグナル伝達系というのは、その下流のシグナル伝達において、FoxO1の転写活性を制御しています。

このFoxO1の転写活性が低下すると、

8.β細胞の脱分化

へ進みます。


8.β細胞の脱分化

FoxO1が働かなくなると、β細胞は脱分化し、インスリンを分泌しなくなり、3.インスリン分泌の低下へ進みます。

更に脱分化した細胞がα細胞に再分化すると、今度はグルカゴンを放出し出し、4.高血糖&高脂肪へ進みます。
結果的に、ますます糖新生は亢進し、脂肪の分解は進み、インスリン分泌は低下し、ニッチもサッチも行かなくなります。


結論


以上が、糖尿病の皆さんのβ細胞で日々行われていることです。
これらは糖尿病でいる限り、つまり、糖代謝や脂質代謝が改善されない限り、無間地獄のような悪循環が日々続いて行き、いつかは本当に治らなくなります。

この事実を最初に知るだけで、「おやつがやめられない」だの「痩せられない」なんていう寝言は、恥ずかしくて口に出せないでしょうし、一刻も早く改善させなければならないことに気が付くことだと思います。

そして、冒頭で紹介しました様に、世界の最新の研究では、これらは完全にストップ、逆戻りさせ、正常にすることができます。

何故、キミたちはやらない?(笑)

ま、皆さんがやるかやらないかなんてことは、私の知ったことではありませんが、少なくとも私はやったから治ったのです。

そして、本当に「糖尿病を治したい」と願う人には、「治る道がある」ということを知って頂きたいと思います。
そうじゃない人は、好きにやって下さい(笑)


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コメント

No title

王城さん、こんにちは。

以前、質問をさせて頂いたるくです。その時にお名前を玉城さんと間違えてしまい、申し訳ありませんでした。

あれから、託児もして貰えるジムに週2ですが通う様になりました。
軽い重量でまだまだですが、そこそこへとへとになります。
追い込みが出来ていないのか、筋肉痛も少なく、まだ改善は見られません。

質問なのですが、私は中性脂肪の数値は正常ですが軽い脂肪肝です。
中性脂肪の数値が高いから、脂肪が付くと思っていたのですが、そこは違うのでしょうか?

2018/07/22 (Sun) 12:47 | るく #- | URL | 編集
Re: No title

るくさん、こんちは。

中性脂肪値が正常でも脂肪肝になる場合もありますし、運動していても脂肪肝になる場合もあります。

中性脂肪というのは、グリセリンと3つの脂肪酸を合成したもので、この形態で皮下脂肪や内臓脂肪に蓄えられます。
エネルギーとして使われる時は、中性脂肪が分解され遊離脂肪酸となって血中に放出されます。
余った脂肪酸は再び肝臓で中性脂肪に合成され、皮下脂肪に蓄えられます。

何らかの原因で、皮下脂肪に蓄えることができずに余った中性脂肪は肝臓などの内臓に蓄えられます。

たいていの場合は、

・インスリン抵抗性により遊離脂肪酸が過剰に肝臓に流入

・高脂肪食(あるいは運動不足)

です。

2018/07/22 (Sun) 17:31 | 王城 恋太 #G9X5F8Nk | URL | 編集
No title

王城さん、こんにちは。

質問に答えて頂きありがとうございます。

・インスリン抵抗性により遊離脂肪酸が過剰に肝臓に流入

・高脂肪食(あるいは運動不足)

というのは、もう運動しろって話ですよね

そして今更ですが最近、バターコーヒーを勧めているお医者さんの記事?をネットで見ました(笑)
色んなお医者さんいるんですね~

2018/07/26 (Thu) 21:07 | るく #- | URL | 編集

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