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長寿遺伝子Sirt1の活性化はインスリン抵抗性を抑制する

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ちはっす。

サーチュイン遺伝子は、長寿遺伝子や抗老化遺伝子とも呼ばれ、その活性化により生物の寿命が延びると言われています。
この寿命延長効果は、線虫やハエ、猿等の実験で報告されていますが、その報告を否定する反対の報告もあります。

ただ、Sirt1が活性化すると、PGC-1、FOXO1が脱アセチル化され、結果的にミトコンドリア・脂肪酸酸化遺伝子の転写活性化が起きるので、細胞の代謝活性が亢進するのは事実のようです。

今回ご紹介するのは、Scientific Reports に掲載された富山大学大学院医学薬学研究部の論文です。

Sirt1 activator induces proangiogenic genes in preadipocytes to rescue insulin resistance in diet-induced obese mice

前駆脂肪細胞での長寿遺伝子Sirt1の活性化は脂肪組織での血管の発達を促すことにより、肥満の「病的な脂肪組織」を「健康的な脂肪組織」に変換し、2 型糖尿病の発症を抑制することを発見



プレスリリースの方は日本語なので、アウトラインを理解するにはこちらで十分です。
細かいところは、研究者の方々にまかせておきましょう。
プレスリリースがあると、私も論文を読んでサマライズする手間が省けるので、本当に助かります(笑)

本研究グループは、Sirt1 遺伝子の活性化化合物 SRT1720 を高脂肪食で誘導した肥満マウスに投与することにより、既報と同様に糖尿病の改善を確認した。
さらに本研究グループは、投与した肥満マウスの脂肪組織での血管新生が上昇しており、脂肪細胞の代謝状態が良好である遺伝子の発現が亢進していることを見出した。
本研究グループは、前駆脂肪細胞の Sirt1 遺伝子を活性化することによって、血管新生因子遺伝子の発現が上昇し、Sirt1 遺伝子の発現を siRNA のより低下させると発現が低下することを見出した。
さらに本研究グループは、SRT1720 の投与の肥満マウスへの投与は、脂肪組織の線維化も低減したことから、「病的な脂肪組織」を「健康的な脂肪組織」に変換したことも明らかにした。

以上より、脂肪組織には、糖尿病を誘導する肥満者の「悪玉の脂肪組織」と健康的な方が有する「善玉の脂肪組織」が存在する。悪性の脂肪組織(病的肥満を形成)では、炎症性のM1 マクロファージが集積し血管が十分に発達していないため低酸素となり脂肪細胞の代謝が悪化する。さらに、線維化も起こっている。
一方、健康者の「善玉の脂肪組織」では、血管が十分に発達し酸素も十分にあり脂肪細胞の代謝が良好であり、抗炎症性の M2 マクロファージが主なマクロファージであり線維化も少ない。
前駆脂肪細胞の Sirt1 遺伝子の活性化は、血管新生因子遺伝子群の発現増加により、「病的な脂肪組織」を「健康的な脂肪組織」に変換することができることが判明した。



要するに、グータラのデブや糖尿デブの脂肪細胞というのは、炎症を起こし線維化し、代謝が悪化している訳です。
そこに長寿遺伝子であるSirt1を活性化すると、正常な脂肪細胞に改善する、つまり、ポンコツ脂肪細胞から健康な脂肪細胞に生まれ変わるということです。

将来的な展望として、

前駆脂肪細胞での長寿遺伝子 Sirt1 の活性化を特異的に誘導する化合物の開発により、肥満者の「病的な脂肪組織」を「健康的な脂肪組織」に変換することが可能となり、新たな糖尿病薬の開発につながることが期待される。
前駆脂肪細胞様の間葉系幹細胞は、骨格筋などにも存在しており、間葉系幹細胞での長寿遺伝子 Sirt1 の活性化は、サルコペニアなどの骨格筋での筋力低下や筋肉量の低下を予防する可能性がある。



ということらしいです。
ちなみに、Sirt1の活性は、アルツハイマー病等の神経変性疾患、動脈硬化、心不全、糖尿病、筋肉減少症、廃用性萎縮症にも効果があると言われています。

とは言えですね、既にSIRT1-activatorという糖尿病治療薬が臨床試験中なんですが、今のところ「効果なし」という結果が出てるんですね。
なかなか、これが、Sirt1をActivateするのは難儀なようです(笑)

そこで、商魂逞しいサプリメント業界では、赤ワインに多く含まれるポリフェノールの一種、レスベラトロールという物質に注目しました。
確か、Natureだったかに掲載された論文で、レスベラトロールがSirt1を活性するという報告を、私も昔読んだ覚えがあります。

ちなみに、「赤ワインが糖尿病に効く」というのは、ここから来てるんですが、効くレベルの量を赤ワインから摂ろうとすれば、1日にボトルで100本以上飲まないといけないので、アンドレ・ザ・ジャイアントぐらいしか効かすことはできません(笑)

で、このレスベラトロールを含むサプリメントは米国でヒットしたんですが、本当に効果があるのかどうかは解りません。
個人的には、かなり胡散臭いと思っています(笑)


AMPKの活性はSirt1を活性化する


グータラというのは、何かと楽な方法で何とかしようと思いがちです。
だから、デブなんですが(笑)
私もどちらかと言えば、そういうタイプなのですが、グータラの場合は「とにかく楽したい」と考えるだけで、目的のための最大効果を何も考えないから、常に楽するだけで効果が上がらないのです。

Sirt1を活性化したいなら、狡すっからい真似をするのではなく、Sirt1を活性化する最も効果のある方法を選択せねばなりません。
こういう時こそ、基本に戻るのです。

Sirt1というのは、細胞の代謝と密接に関係している訳ですから、ここは当然、代謝を司るセンサーであるAMPKとも関連があるのではないか?と、考えた読者の方は「免許皆伝」です(笑)
もはや、あなたの糖尿病は治っていることでしょう。

Interdependence of AMPK and SIRT1 for metabolic adaptation to fasting and exercise in skeletal muscle.


上記論文は、Cell Metabolism に掲載された論文です。
論文によれば、

AMPK活性化によりNAD+が増加、NAD+依存性脱アセチル化酵素であるSIRT1が活性化される。

と、あります。
つまり、ヘンテコリンなサプリメントに頼らずとも、AMPKを活性すれば今すぐにSirt1も活性するのです。

AMPKというのは、今まで散々説明して来ましたが、AMP/ATP比により体内で活性化します。
要するにATPを消費すれば良いのです。
(エネルギーを消費する。)

手っ取り早く、ATPを消費しAMPKを活性するなら、運動か絶食です。
この内、絶食というのは、よろしくない。
何故かと言うと、腹が減るからです(笑)

そもそも、毎回、毎回絶食していたら、段々と貧相なモヤシになって行き、基礎代謝も落ちて行きます。
そうすると、後になればなるほど、絶食による効果は落ちて行きます。

ATPを消費する正攻法は運動なのです。






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