
ちはっす。
今回は、米国糖尿病学会の学会誌・Diabetesの今月号(2018年11月発行)に掲載された論文を紹介します。
High-Fat Diet Causes Mitochondrial Dysfunction as a Result of Impaired ADP Sensitivity
どんな内容かと言いますと、高脂肪食は、ADP感受性の障害の結果としてミトコンドリア機能障害を引き起こす、というものです。
高脂肪食の摂取は、ミトコンドリアの含有量が増加するにも関わらず、インスリン抵抗性が誘導されることは、以前から解っていました。
これ自体は、世の中のデブや脂漬けのモヤシやひょうたんを見れば明らかなんですが、何でそうなるのかはイマイチ解っていませんでした。
今回の研究では、高脂肪食摂取がミトコンドリアのADP感受性を障害し、ミトコンドリア機能不全を誘導することが解ったというものです。
ミトコンドリアのADP感受性が障害されると何が悪いのかと言いますと、イソクエン酸デヒドロゲナーゼという酵素はADPの増加によって活性するので、ADP感受性が障害されると、イソクエン酸デヒドロゲナーゼの活性が抑制されます。
この酵素が抑制されると、ミトコンドリア内のTCA回路での代謝も抑制されてしまいます。
TCA回路の代謝が抑制されると、クエン酸が細胞内に蓄積します。
クエン酸がTCA回路に使われるか、あるいはミトコンドリア膜を出て脂肪酸の生合成に使われるかは、 イソクエン酸デヒドロゲナーゼの活性によって調節されているので、ミトコンドリア膜を出たクエン酸は、一旦アセチル-CoAに戻され、マロニル-CoA経路で、最終的に脂肪酸に合成されます。
つまり、ポンコツ・ミトコンドリアがいくらあっても使い物になりませんし、脂漬けはますます脂漬けになるという悪循環です。
高脂肪食摂取がミトコンドリアの機能不全を誘導するという論文は、他にもいろいろあるのですが、
A High-Fat Diet Coordinately Downregulates Genes Required for Mitochondrial Oxidative Phosphorylation in Skeletal Muscle
こちらも米国糖尿病学会の学会誌に掲載された論文で、かなりパンチが効いています。
この研究では、健常者10人に三日間高脂肪食を与えただけで、酸化的リン酸化、並びにミトコンドリア生合成に必要な遺伝子の発現が減少し、これらが下方制御されることによりミトコンドリア機能障害につながる、と言っています。
健常者においてこれですから、いわんや糖尿病のポンコツをや、ということです(笑)

何か押してけ!↓

2型糖尿病の完治を目指す会
糖尿病の完治を目指す人と完治した人が集まってます。

モンスターファクトリー・オンラインショップ
おまえら、たまにはここで何か買って下さい。