暖かくなると、巷のジムにも新規会員が増え、最後の悪あがきが始まるようです。
暖かくなってから始めても、時すでに遅しの感が満々ですが、せっかくヤル気になったグータラの皆さんのために、今回は「一体我々の脂肪は、いつ増えているのか?」という有難いお話をしたいと思います。
とは言うものの、ほとんど過去記事の焼き直しみたいな内容ですが、決してやっつけ記事ではありません(笑)
この辺の理屈がベースとなり、久々にバージョンアップした王城メソッド3.0ができ上がりました。
(まだ、発表していませんが。)
今回のニューバージョンは、女性や高齢者でも、初心者でも玄人でも、脂肪を落としながら筋量が増やせるという夢のようなメソッドです。
更にマニアの皆さん向けには、マイナーバージョンアップした王城メソッド3.1、別名、「誰でも最短でジェイ・カトラーに近づけるメソッド」、略して「Jメソッド」というのもご用意しています。

現在、テスト期間中ですので、今しばらくお待ちください。
順次、詳細を発表して行きたいと思います。
さて、除脂肪量、いわゆる筋肉を減らさずに脂肪を減らす最も効果的な方法は、脂肪を増やさないことです。
何故なら、我々の身体は、放って置いても24時間、たゆまなく脂肪を燃やし続けているからです。
増やさなければ、減り続ける一方ということです。
これは過去記事においても何度か説明していまして、非常に重要な理屈、と言いますか、中学校程度の理科の知識があれば誰にでも解ることなんですが、今一度説明したいと思います。
脂肪は常に減り続ける
我々は、生きている限り体温を36度近辺に保っています。
放っておけば、と言いますか、死亡すると冷たくなります。
お湯が冷めるのと同じ理屈で、熱は温度の高い方から低い方に伝わりますから(熱力学の第2法則)、外気温との温度差で体表面から常に熱が放出されることになります。
そうすると、熱はエネルギーの移動する手段ですから、身体から外へ熱が移動すると身体のエネルギーは減ることになります。
つまり、我々は寝ていようが、あくびしようが、身体からは常にエネルギーが減っており、1分1秒たりとも休まずにエネルギーを作り続けねば、生きて行くことができません。
では、そのエネルギーを我々はどこから調達しているかと言うと、自分の身体を分解(異化)して調達しています。
具体的に言えば、脂肪を分解して調達しています。
安静時の消費エネルギーは、90%ほどを脂肪に頼っています。
要するに、脂肪というのは、何もしなくても放っておけば減って行くのですから、減らすための努力など何もいらないのです。
一般的なダイエットというのは、「脂肪を減らすために何とかガー!」という部分に重点が置かれていますが、これは努力のベクトルの方向が間違っています。
やるべきことは「減らす努力」ではなく、「増やさない努力」なのです。
脂肪が増えるのは、いつか?
ほんじゃぁ、脂肪というのは、いつ、どうやって増えるのか?という問題です。
ハッキリ言って、これさえ知っておけば、ダイエットは成功したようなものです。
もちろん、青筋立てて涙ぐましい努力をしてもダイエットは成功できます。
とは言え、私が紹介するのは、あくまでも「最小の努力で最大の効果を得たい」というグータラ向けのダイエットです(笑)
食う以外に脂肪を増やす方法は、この世に存在しない
当たり前のことですが、身体の脂肪というのは、食事以外では増やしようがないのです。
「何も食わないのに脂肪が増えた!」なんて言う奴がいたら、東京~大阪間を飛び込み前転で往復して上げます(笑)
つまり、脂肪はいつ増えるのか?と言えば、食後なのです。
問題は何をどう食ったら、どれだけ増えるのか?ということです。
脂肪が増えるのは、食後以外にはあり得ない訳ですから、「脂肪が増えない食事」を考えれば良いのです。
簡単ですね(笑)
摂取した脂肪は脂肪にしかならない
これ、当たり前のことなんですが、当たり前過ぎて今までこれを問題にされることがありませんでした。
だから、私が先に言っておきます(笑)
脂肪というのは、摂取すれば体内では脂肪以外に使い道がないのです。
(ここで言う「脂肪」というのは、飽和脂肪酸を問題にします。)
つまり、食事で脂肪を100g摂取すれば、確実に身体の脂肪は100g増えます。
エネルギー換算すれば約900kcalですが、これが総量として減るかどうかというのは、その後の消費エネルギーに依存します。
次の食事までに900kcal以上の脂肪をエネルギーとして消費すれば、総量として体脂肪は減りますし、そうでなければ総量として増えることになります。
ですから、食事の脂肪摂取は少なければ少ないほど体脂肪や内臓脂肪、異所性脂肪は増えないのです。
これ、ダイエットの第一定理です。
実際、米国糖尿病学会やWHOが勧告する「飽和脂肪酸摂取は総エネルギー量の10%未満(20g未満)」をやってみると解りますが、劇的に脂肪を落とすことができます。
糖を摂取すると脂肪が増える
な訳ねーだろ、馬鹿、という話です(笑)
これは、糖毒系のボンクラの間では、いまだに糖質制限の教義となっている寝言です。
さすがに何度も説明するのは面倒臭いので、下の記事を参照下さい。
糖が脂肪に変わるという話を世界一解り易く解説する
今回は、炭水化物を食べ過ぎると脂肪に変換されて太っちゃうよ〜!という話を世界一解り易く科学的に解説する、という企画です...
簡単に言えば、糖(ブドウ糖)を摂取してインスリンが分泌されても、単に糖は骨格筋に吸収されるだけです。
ブドウ糖から脂肪への変換は極めて効率が悪い(糖100gから脂肪は28gしか作れない)ので、身体はグリコーゲン貯蔵量を最大で体重1kgにつき15gまで増やして対応します。
(骨格筋量が多いとグリコーゲン貯蔵量も更に増えます。)
グリコーゲン貯蔵量が飽和状態になるまで炭水化物を食い続け、更に食えば、身体は余剰の糖を脂肪に変換する前に、エネルギー供給源を脂肪から糖に切り替えて対応します。
(その方が効率が良いからです。)
それでも更に炭水化物を食い続けると、もはや行き場の無い糖は、脂肪に変換されることになります。
とは言え、糖が100g余っても、脂肪は28gしか作れませんが(笑)
おおよそ、どれぐらいで変換が始まるかと言いますと、上記過去記事の論文によれば、グリコーゲンの貯蔵を枯渇させた後、炭水化物を3日連続で6000kcal以上摂取すると、糖からの脂質合成が始まったそうです。
砂糖や果糖の摂取はどうなのよ?
前述の話は、普通の炭水化物(ブドウ糖に変換される)の話です。
果糖というのは、ブドウ糖と代謝経路が違うので、知っておく必要があります。
(詳しくは下記記事参照下さい。)
砂糖の摂り過ぎは何故身体に悪いのか?
WHOが公表する糖尿病についての提言には、砂糖と飽和脂肪酸の摂取を避け、喫煙を止め、健康的な食事をすると、書かれています。Diabetes - World Health ...
上記記事中で紹介したCell Metabolismに掲載されたプリンストン大学の論文は、かなり画期的なものです。
従来、果糖は小腸で直接吸収され、肝臓で代謝されると考えられていました。
しかしながら、実は一定量の果糖は、小腸で果糖→ブドウ糖という変換が起き、ブドウ糖として吸収されていたのです。
これは小腸での果糖(フルクトース)からブドウ糖(グルコース)への糖新生とも呼ばれています。
通常、肝臓での糖新生というのはインスリンにより抑制されますが、この小腸での果糖→ブドウ糖の糖新生は、インスリンの分泌(摂食行動)により、むしろ増強されます。
どれぐらい変わって来るのかと言いますと、小腸での果糖代謝に関する遺伝子発現が30倍ぐらい増強されるそうです。
「食後のデザート」というのは、正に合目的な摂食行動だった訳です。
無論、デザートなど食わなきゃいいんですが(笑)、食うなら「食後」ということで、食前や意味もなく甘いものを食ったり飲んだりしている奴は、それだけで果糖を直接吸収する確率が高まります。
更に面白いことに、この研究では、腸でのより遅い果糖の通過が果糖の処理能力に関連していた、とあります。
つまり、果物やケーキ等の固形物に比べ、通過速度の速いジュースやソーダ等の液体類の方が直接果糖が吸収される割合が増え、肝臓への流入をもたらす、と言っています。
ペットボトル症候群というのは、正にこれな訳です。
で、小腸が処理しきれない大量の果糖は、余った部分が直接体内に吸収されることになり、肝臓で即座に代謝されます。
肝臓では、果糖を見つけ次第、フルクトキナーゼによりリン酸化し、フルクトース-1-リン酸を生成し、フルクトース-1,6-ビスリン酸を経て解糖系に入り、ピルビン酸を生成します。
大量のピルビン酸は、最終的には、脱炭酸して大量のアセチルCoAが生成されることになります。
アセチルCoAは、ミトコンドリアのTCA回路でクエン酸に変換され、このクエン酸が回路を回りながら、中間代謝物を生成し、最終的に、水と二酸化炭素とATPが生成されます。
しかしながら、既にATP供給が十分な時(エネルギー過剰状態の時)、TCA回路のイソクエン酸デヒドロゲナーゼという酵素が抑制され、この酵素が抑制されると、TCA回路での代謝も抑制されます。
TCA回路での代謝が抑制されると、細胞内にクエン酸が滞留し出し、余ったクエン酸は細胞外に放り出され、これがアセチルCoAに戻されます。
行き場の無いアセチルcoAは、マロニル-CoA経路で、活性化されたアセチル-CoAカルボキシラーゼにより、マロニル-CoAとなり、最終的に脂肪酸が合成されます。
何を食おうがエネルギー過剰なら、結局脂肪は合成される
さて、このアセチルCoAというのは、供給源が何であれ作り出されます。
グルコースの解糖、脂肪酸のβ酸化、アミノ酸の脱アミノ反応と、供給源が糖であれ、脂肪であれ、タンパク質であれ作り出される訳です。
通常は、これが作り出されても、エネルギーの産生に向かうのですが、前述した通り、エネルギー過剰状態(ATP供給が多く、ATPの需要が少ない状態)であれば、その供給源が何であれアセチルCoAは余りだし、脂肪が合成されることになります。
つまり、ダイエットの第二定理は、
エネルギー過剰状態では、供給源が何であれ(何を食おうが)脂肪は増える、ということです。
脂肪の増え方・まとめ
これまでの話を元に、脂肪の増え方をまとめます。
- 脂肪を食べると、食べた脂肪分の脂肪が増える。
- 炭水化物を食べると、ブドウ糖に変換され、グリコーゲンが増える。
2-1. 体内のグリコーゲン貯蔵量が飽和した場合、糖をメインにエネルギーを使い出すが、それでも余剰なら脂肪に合成される。 - 果糖や砂糖(ブドウ糖と果糖の割合は1対1)を摂取した場合、果糖は小腸でブドウ糖に変換される → 2-1.へ
3-1. 小腸で処理しきれない大量の果糖を摂取した場合、果糖のまま吸収され肝臓で代謝されるが、エネルギー過剰状態なら脂肪が合成される。 - タンパク質を食べると筋肉合成に向かう。(筋肉や身体の組織も普段は分解(異化)されて行き、食後に分解された分が合成(同化)されます。)
4-1. 余った分はアミノ酸プールへ廻されたりするが、恒常的にアミノ酸を貯蔵する機能は我々の身体にはないので、基本余ればエネルギーとして使われる。 → エネルギー過剰状態なら、脂肪に合成される。
ということになります。
簡単に言えば、脂肪(飽和脂肪酸)をカットし、エネルギー過剰状態を避けるという、究めて当たり前の結論になりました(笑)
これを回避するのは、そう難しいことではありません。
我々の身体というのは、エネルギーが過剰かどうかを、AMPKという酵素をモニターすることで判断しています。
(要するにATPの需給)
身体からATPが少なくなる時というのは、飢餓状態の時か、運動直後です。
ですから、
腹が減ったら飯を食う。
(つまり、腹が減ってもいないのに、ヘンテコリンな間食はしない。)
あるいは、
運動直後に飯を食う。
そしてダイエットの第一定理に従い、この時、飽和脂肪酸はカットします。
簡単ですね(笑)
ただ、理屈は簡単なんですが、実践する上での少々の難点はあります。
身体はエネルギー過剰状態を、AMPKをモニターすることで判断している訳ですが、それを宿主である我々に直接的に教えてくないのです。
まぁ、「腹が減った」とか、「疲れた」ということで、我々は判断するしかありません。
もう少し親切に、ピンポーンとかアラームを鳴らしたり、数値で教えてくれると、もっと便利なんですが(笑)
もう1点難儀な部分は、「一体どれぐらいの量が適切か?」というのは、人それぞれ違いますし、経験則で判断するしかありません。
つまり、「これぐらい食べると自分の身体はどうなるか?」、あるいは「これぐらい運動すると自分の身体はどうなるか?」というのは、自分でモニターして量を判断して行くしかない訳です。
まぁ、当たり前と言えば当たり前なんですが。
これも数値で教えてくれると便利なんですけどね。
そういう訳なので、時々、「どれぐらい摂取すれば良いでしょうか?」とか、「運動量はどれぐらいが良いでしょうか?」という質問を頂きますが、そんなこと私の身体でもないのに解る訳がありません。
確かに言えることは、「今の量で駄目なら、駄目。」ということです。
だいたい、貴様ら、ここまで親切に教えてやってるのに、そんなことまでわしに聞くか?
どこまで甘えた根性なのだ?
と言いたくなるのをグっと堪え(笑)、そういう初心者のために、次回以降で(いつになるか解りませんが)その辺を説明しましょう。
王城メソッド3.0では、答えが用意してあります。
なんて優しいんだ、わし(笑)

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