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ヒトは何故リバウンドするのか?【第4回】糖質不足はインスリン抵抗性が憎悪する

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ちはっす。

このシリーズも4回目を迎え、段々と私も飽きて来ました(笑)
しかし、もう少しの辛抱です。(私が)

このシリーズを最後まで読むと、巷のデブやひょうたん、糖尿ポンコツを差し置いて、何故私が7年以上もリバウンドしないのか?、また、ラーメン同好会で大盛り極太麺を食いながら、何故私が高血糖にならないのか?ということがご理解できると思います。
適当な様に見えて、実は偶然そうなっている訳ではないのです。


    前回までのお話

  1. 【ダイエット】ヒトは何故リバウンドするのか?【リバウンドの理論】

  2. ヒトは何故リバウンドするのか?
    【第2回】リバウンドによる体重の回復は、確実に以前よりも脂肪の割合が増える

  3. ヒトは何故リバウンドするのか?【第3回】リバウンドによる悪循環を断つ



さて、前回のお話では、Glut4の量を2倍に増やしたトランスジェニックマウスでは、インスリン抵抗性が起きず、高血糖にもならないという研究を紹介しました。
Glut4の量を増やす方法というのは、高強度の運動、つまり、解糖系が亢進するような運動です。

同時に運動というのは、強度が高ければ高いほどAMPKは活性化され、AMPKが活性化されればされるほど、脂肪合成における律速酵素であるアセチルCoAカルボキラーゼ(ACC)は、リン酸化され不活性化されます。
ACCが不活性になると、脂肪合成やコルステロールの合成が減少します。

更に、ACCが不活性になると、アセチルCoAから合成されるマロニルCoA量が減少し、ミトコンドリア上のCPT1(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1)が活性化して、ミトコンドリア内への脂肪酸輸送量が増加し、脂肪酸のβ酸化が亢進し、結果、脂肪燃焼も促進されます。

要するに、ダイエット時における高強度の運動は、「しんどい」という点を除けば、良いことしかありません。


糖質制限は耐糖能が障害される


これまでの話は、ダイエット時における運動について多くを語りましたが、食事についてはどうなんでしょう?
ダイエット時の食事で最もやってはいけないのは、ご存じ「糖質制限」です。

もともと、ダイエット後のリバウンド、つまり、キャッチアップ脂肪の増加というのは、ダイエット(擬似的な飢餓状態)→インスリン抵抗性→ダイエット終了後の高インスリン状態→脂肪蓄積の増加、という段取りで進行します。
当然のことながら、ダイエット時というのは食事の面からも極力インスリン抵抗性を高めないよう工夫せねばなりません。

ほんじゃぁ、何故、糖質制限はインスリン抵抗性が高まるのでしょう?

最初に「ヒトの身体」というモデルで解り易く説明します。
糖質制限、あるいは栄養不足等で糖が不足するとします。
低血糖状態になると、ヒトは動けなくなります。
そのまま放っておけば意識を失い、速攻で死にます。
これでは甚だ具合が悪い。
ダイエットする度にデブは死ななければなりません(笑)

ヒトは高血糖ではすぐには死にませんが、低血糖の場合は速攻で死に至ります。
ほとんど全ての必須栄養素というのは、無くてもすぐには死にません。
しかし、糖だけは不足すると即死なのです。
そこで、身体というシステムは、低血糖に備え、バックアップシステムを何重にも持っています。
つまり、入って来ないんだから自前で糖を作るというものです。
それが肝臓での糖新生です。

しかし、肝臓で糖を作ると言っても、慢性的に糖不足ともなると肝臓がフル回転しても糖の生産が追い付かなくなって来ます。
せっかく肝臓が一生懸命糖を作って血中に放出しても、腹を空かせた骨格筋がほとんどの糖を持って行ってしまうからです。
まぁ、しかし、骨格筋にも言い分はあります。
「火急の糖不足と言うから、こっちは筋肉を分解して材料を供給しているのに、何が悪いつうんだ?」
「火急の糖不足なんだから、少しは我慢しろつってんだ、このタコ。」
と、肝臓は怒り出します(笑)

これでは収拾がつかないので、身体という司令塔は、骨格筋への糖供給を物理的に制限し出します。
これが「インスリン抵抗性」です。
骨格筋への糖供給を制限することにより、脳や赤血球、神経細胞、免役細胞等に糖が供給される様になります。

これを身体がどの様に実現しているのかを簡単に説明します。

まず、糖が不足すればインスリン分泌も減ります。
インスリン分泌の主要経路というのは、そもそも糖が無ければ動かないのでインスリン分泌は減るのです。
糖が少ない状況でインスリンを分泌してしまうと、たちまち身体は低血糖になってしまいます。

どういうメカニズムで糖がインスリン分泌を惹起させているかと言いますと、糖がβ細胞で代謝されるとATPが増加します。
ATP増加に反応してATP感受性カリウムチャネル(KATPチャネル)が閉鎖することで細胞膜の電位が上昇し、電位依存性カルシウムチャネル(VDCC)が開いて、カルシウムイオンが細胞内に流入し、インスリンが分泌されます。

スルホニル尿素薬等の糖尿病治療薬は、このKATPチャネルに結合するのでインスリンが分泌されるのです。
他にもニューキノロン系の抗生物質もKATPチャネルに結合するので、ニューキノロン系の抗生物質を処方された場合は、低血糖に注意が必要です。

すい臓のα細胞は、インスリン分泌が低下するとグルカゴンを放出します。
このグルカゴンが糖不足のサインです。
このサインにより、脂肪は分解され、血中に遊離脂肪酸が増大します。
同時に肝臓では貯蔵されている糖を血中に放出したり、糖新生を行い、糖を作り出します。

糖新生が亢進すると、PEPCKとG6Paseという遺伝子発現が増大しますが、これらはインスリン抵抗性を惹起します。
また、遊離脂肪酸が増加すると、骨格筋では遊離脂肪酸を取り込み、脂肪酸酸化、中性脂肪の蓄積を優先し、糖の取り込み、グリコーゲンの合成は抑制されます。
骨格筋での脂肪酸酸化が亢進すると、骨格筋内にセラミド、ジアシルグリセロール等の脂肪酸代謝物のクリアランスが追い付かず、滞留し出します。
これらの代謝物も、IRS-1(インスリン受容体-1)チロシンリン酸化とPI3キナーゼ活性を低下させ、GLUT4を介するインスリンによる糖の細胞内取り込み作用が抑制され、インスリン抵抗性が高まります。

下記論文では、

脂肪分解の増加に起因する遊離脂肪酸フラックスの増加は、代謝産物の直接的または間接的な(トリグリセリド沈着から)生成を介して肝臓および筋肉のインスリン抵抗性を誘導または悪化させ、インスリンシグナル伝達経路を変更します。
過剰な遊離脂肪酸を軽減することが、インスリン抵抗性の治療の目標です。


と言っています。

Free fatty acids and insulin resistance : Current Opinion in Clinical Nutrition & Metabolic Care

abolic disturbances of diabetes mellitus. However, other mechanisms are now described to explain the molecular basis of insulin resistance.



問題は、これらの一連の身体の働き自体が異常という訳ではなく、「糖不足」という異常事態に身体が対処しようとして行われているということです。
つまり、誰の身体でも起こるのです。
(起こらなければ、そういう個体は生きて行けませんから淘汰されます。)

過去記事で紹介しましたが、実際、3日も高脂肪食を続ければ、インスリン抵抗性は高まります。

わずか3日間の高脂肪食摂取で骨格筋のインスリン感受性は低下する

以前の記事、 骨格筋と肝臓におけるインスリン抵抗性とβ細胞機能不全との関係 に、おきまして、欧州糖尿病学会の学会誌、Diabetogia に掲載された論文を紹介し、 筋肉におけるインスリン抵抗性は、カロリー過多と共に脂肪肝の発生を促進する 、というお話をしました...



そんな訳で、これまでの話を基に、次回こそは完結できると思います(笑)
乞う、ご期待!



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