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ヒトは何故リバウンドするのか?【第5回】リバウンドしないダイエットとは?

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ちはっす。

ようやくこのシリーズも千秋楽を迎えることができました。
いや、これを書いている時点では、終われるかどうかは解らないんですが、もう無理矢理終わらせます。
この話題には、たいがい飽きたので、キーボードを打つ手が進みません(笑)

という訳で、張り切って参りましょう!


    前回までのお話

  1. 【ダイエット】ヒトは何故リバウンドするのか?【リバウンドの理論】

  2. ヒトは何故リバウンドするのか?
    【第2回】リバウンドによる体重の回復は、確実に以前よりも脂肪の割合が増える

  3. ヒトは何故リバウンドするのか?
    【第3回】リバウンドによる悪循環を断つ

  4. ヒトは何故リバウンドするのか?
    【第4回】糖質不足はインスリン抵抗性が憎悪する



れいによって、今までの話を簡単にまとめます。

まず、ダイエットというのは、何をやるにせよ、それがカロリー制限だろうが糖質制限だろうが、脂質制限だろうが、イワシの頭を拝もうが、身体を擬似的な飢餓状態にするということです。
でなければ、身体は小さく(痩せることに)なりません。

とは言え、身体は飢餓を感知すると、代謝を変えて飢餓に対処しようとします。
その一つがインスリン抵抗性が上がるということです。
そうすると、ダイエットをやめた時点(インスリン抵抗性が上がっている時点)で、普通に食事を摂り出すと、骨格筋のインスリン抵抗性により速やかに血糖が吸収されないため、すい臓はよりインスリンを分泌して血糖を下げようとします。
つまり、大して食っていないつもりでも、高インスリン状態になります。
この時、脂肪細胞は、潤沢な血糖と高インスリンの余勢を駆って、どんどん糖を吸収し、肥大化して行きます。
元々、脂肪細胞というのは平常時の糖の吸収は大して多くないので(骨格筋が70%~80%に対し、脂肪細胞は数%)、飢餓時のインスリン抵抗性からは枠外に置かれているのです。

プラス、ダイエットで体重減となった身体は、体表面積が減っているので、熱産生(エネルギー需要)が減っています。
(つまり、基礎代謝が落ちている。)

かくして、ダイエット後の身体は加速度的に脂肪蓄積が増加し、体重が元に戻った時点ではダイエット前よりも脂肪蓄積が増大しているという、目も当てらない状況になります。

A Role for Suppressed Thermogenesis Favoring Catch-Up Fat in the Pathophysiology of Catch-Up Growth

上記は、米国糖尿病学会の学会誌に掲載された論文で、キャッチアップ脂肪について、やはり、インスリン抵抗性と熱産生の低下(基礎代謝減)で、説明しています。
更にラットを用いた実験では、ダイエット後に過食にならない程度の低脂肪食を与えても脂肪蓄積が増え、過食にならない程度の高脂肪食だと更に脂肪蓄積が増大するという散々な結果になっています。


リバウンドしないダイエットとは何か?


まず、食事の面で言えば、糖質は絶対に減らしてはいけない。
前回の記事で説明した通り、糖質を減らせば、インスリン抵抗性が上がるだけです。
減らすのは脂質(飽和脂肪酸)で、極限まで飽和脂肪酸を減らせば、むしろ炭水化物量とタンパク質量は上げても良い。

巷では、ダイエットにはバランスの良い食事が重要と言われています。
「PFCバランスガー!」という輩は、「ダイエットには適度に脂質も重要です。」と言いますが、こと飽和脂肪酸に到っては全く必要ありません。
そもそもデブは、脂肪を減らす必要があるのでダイエットをする訳ですから、デブは飽和脂肪酸など自前でいくらでも持っている訳です。
体重80kgで体脂肪率30%なら、24kgもあるのです。
これを減らすという話なのに、外から入れてどないしまんねん??
そんなものは、消火活動をやってる横から油を注ぐようなものです。
既にデブの身体は飽和脂肪酸まみれなのです。

要するに、ダイエット食でカロリー減にする場合は、極限まで飽和脂肪酸を減らしカロリーを減らすということです。
目安としては、WHOや米国糖尿病学会が提唱する基準、「糖尿病の有る無しに関わらず、飽和脂肪酸摂取量は総カロリーの10%未満」です。

これさえ厳格に守れば、半分ダイエットは成功したようなものです。

では、残りの半分はと言えば、当然「運動」ということになります。
運動の目的は、基本「インスリン抵抗性の上昇を抑える」ということです。
そのためには、

  • Glut4の発現量を増やす

  • 速筋の減少を防ぐ

  • 速筋から遅筋への筋線維シフトを防ぐ


これを実現するためには、筋トレ、または(あるいは両方)、高強度インターバルトレーニングの様な高強度の運動です。
有酸素運動などやる必要がない、と言いますか、むしろ筋線維シフトが起こり易いので、やらない方が良い。

巷では筋トレと有酸素運動はセットで語られていたりしますが、あんなものは別段何かを考えたり、理論を突き詰めて語っている訳ではありません。
何となくそんな気がするから語っているだけです(笑)
有酸素運動でできることは、すべて高強度インターバルトレーニングでそれ以上の効果が出せます。
ですから、やるなら有酸素運動を高強度インターバルトレーニングに置き換え、筋トレとセットでやった方が良い。

以上を厳格に行えば、ダイエットは失敗のしようがありません。
まぁ、当たり前ですが(笑)

結論として、ダイエットというのは、単に食事制限しても、栄養失調で痩せているだけなのです。
その状態というのは、死ぬまで栄養失調を続けないと体型は維持できません。
つまり、体重を測って「何キロ痩せた!」と喜んでいる時点で、ダイエットは失敗したようなものです。

失敗しないダイエットというのは「身体を作る」ということです。
そうすると、私の様に「ラーメン同好会」と「糖尿殺し同好会」を掛け持ちして、極太濁流ラーメンやら、インドカレーのナンをお代わりしたり、ハンバーグパスタとパンケーキを食っても体型は維持できるのです。

それでは張り切って参りましょう!


- 終劇 -




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コメント

いつもありがとうございます

王城さん
いつも貴重な情報ありがとうございます。
ただいま、夫婦で減量中です。
過去糖質制限やケトジェニックで結構な体調悪化を経験しております。
その失敗を糧に、王城さんのメソッドを参考に健康で魅力的なボディメイクに励もうと思います。
お忙しいところ本当にありがとうございます!!!

みなさまよいお年を!!!

2019/12/30 (Mon) 11:21 | 廣崎レイ #- | URL | 編集

王城さん、5回にわたる連載お疲れ様でした!
私にとって、ちょうどタイムリーな話題でした。

一年で23キロぐらい落ちて、あと10キロ減らしたいのにこの数ヶ月停滞してて油断したらリバウンドかとヒヤヒヤ。

血糖値は、HbA1cはこの一年で6.8から5.4へ、空腹時の血糖値も160から100ぐらいに減りました。まだ、食べた量や内容によって食後1時間の血糖値は200越えたり、油断できないのですが、2時間後には140以内にはおさまるようになり、中性脂肪やコレステロール値とかは基準の一番下か少し下回るようになりました。

やはり、減量が結構できたことで自分でも油断してたのもあるかもしれません。運動量ももう少し増やしつつ最後まで減量頑張って、糖代謝異常を是非克服したいです。

今年はこのブログを見つけた事で、自分の体も変化し、糖尿病の合併症の不安から抜け出しました。
まだ寛解とはいえない状態ですので、油断せず来年も頑張ります!
今後とも有意義な情報をよろしくお願いします!

2019/12/30 (Mon) 23:16 | みーすけ #gQ8i8IdY | URL | 編集
糖質制限を組み合わせられないものか。。

にわか糖質制限実践者で、かれこれ2年糖質制限を続けています。二カ月で10kg痩せ、それ以降は3キロくらいの振れ幅でリバウンド、修正のために糖質制限とカロリー制限の強化で今に至ります。現在177/75/56歳です。ジムは1、2回/1週間で以前10分の筋トレの後100分のジョギングでリバウンドを防ぎ、さらにダイエットを進めようとして失敗。その原因もこちらの記事の中にヒントがいくつもありました。
詳しい論理的なリバウンドのメカニズム、防ぎ方たさなど目に鱗の部分が多々あって、大変参考になりました。これから自分の体で実践しようと思います。
糖質制限中ですがお正月など爆食いを2、3日するとすぐに
2、3キロ体重が増加して、以前の体重になるのに1週間かかっています。お酒を飲んだ翌日は1、2キロすぐに体重が増え、これももとに戻るのに1週間かかるため、出来るだけお酒は飲まないようにしています。
速筋が回復していないので脂肪細胞がすぐに糖を吸収(中性脂肪合成)したり、脂肪酸を脂肪細胞が吸収する(お酒の解毒に肝臓が一生懸命)ことだけでこんなに体重が一時的に増えるものなのでしょうか?
また糖質制限は短期間で体重がおちるので二カ月で終わった後のケアを慎重に(骨格筋の速筋を元に戻す)する事で、うまくソフトランディングさせられないものでしょうか。

2020/01/15 (Wed) 14:41 | ひで #NkOZRVVI | URL | 編集
No title

糖質制限すると主に水分が抜け体重がストンと落ちます。(私はこれが劇的で過去数年糖質制限にどっぷりつかりました)
また時々糖質祭りをすると一気に体重が増えるのは今まで抜けた水分が元に戻るからだと思います。

ソフトランディングを目指すなら、糖質量を徐々に増やしていくのがいいのかなと思います。

2020/01/16 (Thu) 09:08 | 廣崎レイ #- | URL | 編集
現在自分もダイエット中なのと父が糖尿病なので勉強なりました。

はじめまして。
現在ダイエット中なのですが、体の内部事情でのリバウンドについてくわしく書かれていた内容がとても興味深く勉強になりました。父も15年前から糖尿病でインスリンを打つ毎日なのでまた勉強しに来させていただきます(^^)/

2020/04/16 (Thu) 00:33 | あさぴママ #- | URL | 編集
参考になります!

はじめまして❗️
ダイエットをしている丸々のアザラシと言います。
あなたの記事を読み、体重が減った‼︎とただ喜ばすに継続してリバウンドしないようにしていきたいと思います。

2020/04/29 (Wed) 18:01 | 丸々のアザラシ #yOTcS6.o | URL | 編集
No title

非常に専門的なお話を、とても興味深く拝読いたしました。
糖質制限って、本気のダイエットには意味がないのですね!
そして飽和脂肪酸を減らし、高強度トレーニングをすることが、痩せることへの唯一の道であるということで、納得いたしました。

なかなか、大好きな糖質を減らしきれない自分をいさめておりましたが、トレーニングさえしておけば、糖質をとってもいいというのは、朗報でした。
ただ、高強度トレーニングを自分一人でやることは、特にビギナーにとってはなかなか難しいだろうとも感じました。

まったくのトレーニングビギナーでも始められる、高強度トレーニングがあれば教えてください! また、過去の記事も拝読し勉強してみます。

2020/06/28 (Sun) 23:42 | ビューティースタイリスト #RBj97IZI | URL | 編集

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